大相撲春場所4日目(13日、大阪府立体育会館)、大関豪栄道(32=境川)が幕内魁聖(32=友綱)を上手投げで退けて4連勝。これまで序盤戦での取りこぼしが目立っていた中、自身2度目の優勝に向けて上々の滑り出しを見せている。取組後は「今のところは体が動いている。また明日から」と表情を引き締めた。

 大阪・寝屋川市出身のご当所力士。この日も館内で「豪栄道コール」が起こるなど、地元での人気は根強いものがある。一方で、この春場所は兵庫出身で大関取りに挑む関脇貴景勝(22=千賀ノ浦)に話題が集中。懸賞の本数でも和製大関を上回っているが、豪栄道にとって地元場所の「主役」は譲れないところ。本人も「いろいろな人からハッパをかけられるんでね」と気合を入れて臨んでいる。

 貴景勝とは、名門として知られる埼玉栄高相撲部の先輩と後輩の間柄でもある。1月の初場所千秋楽は貴景勝が勝てば大関に昇進する一番で、豪栄道が完勝。“壁”として立ちふさがり、先輩の貫禄を示した。審判部副部長の藤島親方(47=元大関武双山)は「豪栄道は全勝で優勝した実績もあるし(白星を重ねていけば)乗ってくるのでは」と和製大関の復活に期待した。

 三役以上の上位陣で、全勝は横綱白鵬(34=宮城野)と豪栄道の2人だけ。地元Vへ向けて大きなチャンスが訪れた。