看護の日PR大使を務める女優の須藤理彩(42)が15日、東京・千代田区の日本大学病院で行われた「第9回忘れられない看護エピソード」朗読会(公益社団法人日本看護協会主催)に出席した。

 12日は“母の日”であり、“看護の日”でもあった。同院の看護師たちを前に、須藤は「『救命病棟24時』(フジテレビ系)というドラマに出演していたので、看護師という仕事では私のほうが先輩かな」とジョークを飛ばして笑いを誘った。

 一方で「(役作りで)先生からよく『救急は戦場だ』と聞いた。看護師さんたちは、まさに白衣の天使。尊敬と感謝の念を抱いている。お体に気をつけて、頑張りすぎないように働いていただきたい。いつも応援している」と、最前線に立つ看護師にエールを送った。

 須藤の夫でロックバンド「BOOM BOOM SATELLITES」のボーカルだった川島道行さん(享年47)は、闘病生活の末、2016年に脳腫瘍で亡くなった。

 それだけに、患者にとって看護師の存在がどれだけ大きいかを実感しており「患者自身だけでなく、家族も苦痛と不安に悩みながら過ごしている。何でもないことかもしれないが、看護師さんがニッコリほほ笑みかけてくれるだけで、勇気をもらえる」と語った。

 そして「主人が入院した時、2か月後にライブが迫っていたので、開頭手術をして包帯ぐるぐる巻きでチューブがささっているにもかかわらず、すぐにギターを練習しなきゃと焦っていた。そんな時に看護師さんが『まずは立ち上がることから始めましょう』と、目の前の目標を定めてくれた。その後は『今日は奥さんがいるから売店まで行ってきていいですよ』と、その時々に応じて導いてくださった」と、川島さんの闘病生活を明かした。

「実は家族も武道館なんて立てないんじゃないかと思っていたが、そういう積み重ねが、いけるかもという自信につながっった。看護師さんには当たり前のことかもしれないが、ささいなひと言が会える楽しみになり、勇気につながる」。須藤は献身的な活動を続ける看護師たちに心から感謝した。