上方落語協会の桂文枝会長(72)は8日、新たな台本を公募した「第8回上方落語台本募集」の入選作を発表し、今回で「一通りの役目は終えた」とし、来年以降は同募集をいったん打ち切ることを明かした。

 06年9月、上方落語界にとっては悲願だった戦後初の定席「天満天神繁昌亭」がオープン。文枝会長は「繁昌亭に来られない遠方の方にも繁昌亭に参加していただき、上方落語と、繁昌亭を普及するのが目的」として、台本の公募を始めた。8年続け、ここまでで「一定の成果をあげて、いったんひと区切りにしたい」として、今年を最後に決めたという。

 というのも、台本の選考者は協会の落語家が務めており「どうしても、演じやすい本を選んでしまう」傾向もあり、いったん公募の仕組みを仕切り直すと決定。「落語家以外の人から見て、選んでもらうような形にできないか」と考え、将来的には「スポンサーも見つけて、○○大賞として復活させたい」と言う。

 文枝は「あちこちと相談をして、まあ、再来年あたり、なんとかなるんじゃないか」とメドを口にした。

 最後の入選となった今年の大賞は、和歌山市の自営業松本愛郎(あいろう)さん(59)の「おかん」を選び、優秀賞、佳作など計6作を発表した。

 来年2月3日、繁昌亭の夜席で、入選作の発表落語会を開き、大賞の「おかん」は、文枝会長が披露する。文枝は「最後ですので、私がやらせていただこうとなりました」と語った。