アパホテルが運営する「アパリゾート上越妙高ひまわりコキア王国」概要発表会見を取材した。ガリットチュウ、チョコレートプラネットらが人気のお笑い芸人が出席していたが、芸人を食ってしまうほどのインパクトを残していたのが“アパ社長”ことアパホテル元谷芙美子社長(71)だった。
元谷社長は自らが広告塔として会社を宣伝することから、その顔はメディアでもおなじみ。この日ガリットチュウ福島善成(41)が社長のトレードマークである大きな帽子をかぶり、ものまねメークを施して登場した。福島が本物を自称して姿を現せば、元谷社長は「私が本物です!」とノリノリで寸劇に対応。福島のメークを絶賛したかと思えば、突然スイッチが切り替わったように「100点満点中、3点。私の美貌と教養と知性の全てが足りませんわ!」と舞台女優のような口調で述べ、一瞬周囲をポカンとさせた。その後「あの、しーんとしないで…」と急に照れていた。
その後も要所要所で元谷社長の自由な振る舞いは続き、芸人のボケを「おもしろくない」と切り捨て、何の脈絡もない部分で「私の預金残高は申し上げられません!」と高らかに宣言。芸人を前に物おじしない姿勢を見せ、たびたび爆笑を巻き起こしていた。本人がとにかく楽しそうだったのが印象的だった。
イベント終了後、会場出口に向かうとエレベーターを待つ元谷社長と鉢合った。記者の履いていたジーンズには取材者であることを示す「プレスシール」が貼られており、元谷社長はそれを見ると「これ、憧れなの!」と声を掛けてきた。では差し上げます、と半分冗談のつもりでシールを剥がして手渡すと、着ていたジャケットの胸元にペタッと貼り付け「うふふ」と満面の笑みを浮かべた。また、後に続いてやってきた別のカメラマン男性からホテルの会員であることを告げられると、「そうなの!? じゃあアパ社長と写真撮る?」と自ら2ショットを申し出るサービス精神を披露していた。
どこまでも天真らんまんで、エネルギッシュな人だった。【遠藤尚子】