サッカー前日本代表監督の西野朗氏(64)が19日、タイ代表およびU―23代表監督に就任した。

 西野氏はタイサッカー協会のソムヨット会長とともに都内のホテルで就任会見を行った。「会長から『新しいタイのサッカーを築きたい』と熱意のある話をいただいた。タイのサッカーは非常にポテンシャルがある。他国で代表を率いるのは簡単ではないが、覚悟を持ってタイのサッカーに入っていきたい」と強い意気込みを見せた。

 そして「東南アジアのリーダーとなるようなチーム力を上げられるよう努力していきたい」とアジアの強豪へとレベルアップさせることを誓った。

 タイは2022年カタールW杯アジア2次予選では、UAE、ベトナム、マレーシア、インドネシアと同じG組に入った。W杯切符をかけた戦いは9月から始まるため準備期間は少ないが「今まで通訳を介したことがないし、どれだけ意思疎通を図れるか。経験がない中での指導を確立していかないと」と不安をのぞかせつつも「まずはしっかり見て、話して。時間がないのは慣れているということではないけど…(笑い)。そう何度も成功するものではないが、そのなかでチャレンジしていきたい」。“緊急登板”でチーム再建に成功したロシアW杯の経験を踏まえながら、西野流コミュニケーションでタイを強化していくつもりだ。

 西野氏は昨夏のロシアW杯で日本代表を率いて16強へと導き、大会終了後に退任後はフリーだった。日本の名将が、アジアのライバル国をどう率いるか注目だ。