【ダイエット王子・工藤孝文の痩せる門には福来る】夏向けの食材が、スーパーに並んできました。今回は手軽に取り入れやすい食材でダイエットにつなげましょうという話です。取り上げる食材はキュウリ。ホスホリパーゼという成分が脂肪分解酵素を持つため、食前に取ることでその後の食事に対して脂肪吸収を抑える効果があります。さらに体内の老廃物や毒素を排出、代謝を高めます。他にもキュウリには、利尿作用やむくみを解消するカリウム、腸の働きを整え、血糖値の急激な上昇を抑える食物繊維も豊富と、地味ではありますが、実は隠れたスーパー食材なのです。低カロリー、コスパ良しなのもうれしいところ。これは活用するしかないでしょう。

 調理も簡単。最近は夏場のコンビニでキュウリの一本漬けや野菜スティックなどが売り出されていますね。ああいったものを活用して、食べるときは乱切りにはせず、なるべく丸ごとがオススメです。
 
 なぜかといえば、丸ごとよくかむことで満腹中枢が刺激され、内臓脂肪が燃える効果があります。また、調味料に関しても油分を含んだマヨネーズなどではなく、みそや塩がベター。分解酵素のホスホリパーゼは熱に弱いため、ぜひ生で食べてください。 
 
 実際に夏場のキュウリは私の患者さんにもオススメしています。特にむくみに悩まされている人には利尿作用もあるため効果的なようです。ホットフラッシュなど更年期障害の症状がある人にも、キュウリは体を冷ます作用があるため、向いています。人間、体が熱いとイライラして食が進むといわれます。漢方医学では体を中庸に保つ必要があり、冷えも熱すぎるのもダメとあって、診察時に患者さんの手を触って熱ければ、キュウリを勧めています。
 
 脂肪の吸収を抑えるホスホリパーゼは長ネギ、レタス、トマト、キャベツといった野菜にも含まれています。ただ、それらの中でもキュウリに含まれる酵素が特に脂肪を分解する力が強いです。
 
 これまで水分ばかりでとりたてて栄養がない野菜と思われていましたが、近年のダイエット界では認識が変わりつつあります。今年の夏はキュウリをポリポリかじりつつ、痩せ体質を手に入れましょう。
 
☆くどう・たかふみ=福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、糖尿病などの生活習慣病、漢方・東洋医学・ダイエット治療を専門とし、自身も10か月で25キロの減量に成功した。現在は福岡県みやま市の工藤内科でダイエット外来を含めた地域医療を行う。NHK「あさイチ」「ガッテン!」、日本テレビ系「世界一受けたい授業」などテレビ出演、ダイエット・東洋医学に関わる著書多数。最新刊は「医者も驚いた!ざんねんな人体のしくみ」(青春出版社刊)。医師+(いしぷらす)所属。