中国最大の“パクリ遊園地”「珍珠楽園」が最近、消滅していた。

 広東省の珠海市にある同園は、明らかにパクリな“極悪のび太”の巨大フィギュアやウルトラマン、ミッキーマウスなどを堂々と展示し、運営されていた。

 それが、現在は路線バスの運転手から「誰も行かない遊園地だよ」と言われている。入り口は廃虚のようだが、入園料60元(約960円)を払って入ることができる。しかし、そこにはスタッフが園内に畑を作って自給自足に励むという光景が広がっていた。

 パクリキャラを徐々に撤去していったため、客が減少し、資金繰りの悪化による遊園地の閉鎖のようだ。

 本紙で報じたことがある「世界最大的厠所」(世界最大のトイレ、中国・重慶市)もなくなっていた。

 このトイレは「洋人街」という遊園地の入り口付近にあり、500もの便器が設置されていた。

「聖母マリア像」や「口を大きく開けたもの」「チューリップ」「ワニ」などの形をした男性用の便器が並んでいた。だが、欧米人から「聖母マリア像におしっこをするのはけしからん」との抗議が相次いだことで、聖母マリア像の小便器だけはすぐに撤去された。

 現在、同園は移転し、施設の取り壊しが進められている。トイレのあった場所は更地になった。

 大量の便器がどこに行ったのかは誰にも分からない。特に聖母マリア像の小便器は博物館入りしてもおかしくないシロモノだけに、タオバオなどのオークションに出てくるのかもしれない。

 中国のパクリ遊園地の消滅は、北京市内の遊園地「石景山遊楽園」のドラえもんやミッキーマウスなどの“パクリキャラ”が世界中から批判され、2007年に撤去されたのに続く措置。習近平政権の指導で、笑わせてくれる“中国恥遺産”が続々と消えている。