ロックバンド頭脳警察が昨年50周年を迎えた。足跡をたどったドキュメンタリー映画「zk 頭脳警察50 未来への鼓動」(末永賢監督)が先週公開されたのに合わせ、メンバーのPANTA(70)に話を聞いた。

70年代には過激化した学生運動を象徴する存在となり、80年代には岩崎良美らアイドルに楽曲を提供…この人の50年だが、最近の一番のお気に入りが「忍者」というのが面白い。

昨年公開された映画「下忍 赤い影」では忍者の長老役を演じ、50周年記念アルバムは忍びの者を意味する「乱破(らっぱ)」と名付けた。

「日本が外交べたと言われるのは情報戦に弱いから。忍者の生き方には学ぶところが多いと思うんです」という。縁も感じている。「幕末、多摩に住んでいた曽祖父は『勤王を討ちにいく』と家族を残して京都に向かい、そのまま消息を絶ったそうです。実は幼い頃には印の結び方を習ったし、家には葵の紋の入った重箱がありました」という。

反骨のロッカーと忍者。ミスマッチのような、1周回ってマッチするような。確かに「下忍-」の長老役は妙にはまっていた。NHKの「ファミリーヒストリー」で見たい気がする。【相原斎】