現役最多の2171安打を誇るソフトバンクの内川聖一内野手(37)が開幕から二軍暮らしとなっている。
当初は打撃の調子を落としていたものの、すっかり当たりを取り戻してさすがの安打製造機ぶりを発揮。27日現在でウエスタン11試合に出場して打率4割6分2厘(26打数12安打)と貫禄を見せつけている。
それなのに一軍に呼ばれていないのはなぜなのか。首脳陣の中でも筆頭候補ではあるようなのだが――。チームスタッフは「うちには主力やベテラン組に(故障などの)既往歴のある選手が多い。現状、うまく回っているところもあるし、カバーする若手を簡単に外せないところもありますからね」と話した。
毎年のように日本シリーズまで戦っている鷹ナインにはケガ持ちの主力が多い。必然的に複数ポジションを守れる選手や、代走、守備固めの需要が高い。そんな中で内川を昇格させ、バックアップ要員を削るとバランス的におかしくなってしまうチーム状況なのだ。
もっとも、このままのわけがない。「今のチーム状況から苦しくなった時には白羽の矢が立つだろうし、それこそ主力に故障者が出れば真っ先に呼ばれる可能性は高いはず」(チーム関係者)。キューバから入国し、8月中の一軍昇格が期待されるデスパイネ、グラシアルにしても、母国もコロナ禍の中で調整不足を懸念する声も尽きない。
希代の安打製造機のバットが、一軍の舞台で快音を響かせる日は必ず来るはずだが…。