阪神OBの掛布雅之氏(65=HANSHIN LEGEND TELLER)が19日、大阪市内で行われた関西フィルハーモニー管弦楽団を支援するクラウドファンディングプロジェクト「ONE KANSAIで『関西フィル応援プロジェクト』」の発表会見に登場した。

 同プロジェクトは、新型コロナ禍で演奏会が中止・延期となり、約2億円の経済損失を被っている関西フィルの活動資金を得るため、関西に縁のある人や企業がお礼の品を提供し、寄付を募るというもの。

 プロジェクトの発起人で、同楽団の首席指揮者を務める藤岡幸夫氏(58)と親交の深い掛布氏は、二軍監督時代に実際に使用したユニホームや、現役時代の掛布仕様オーダーメイドバット、グラブのレプリカにサインを入れ提供した。

 藤岡氏から「実は掛布さんはめちゃくちゃ音楽が好きで、10年ほど前に意気投合しました。素晴らしい人柄で、『これ、あげる』ってマフラーやサングラスをくれるので、クラウドファンディングの話をしたら、案の定『いいよ』って言ってくれました」と感謝されると、「藤岡さんは僕の性格を見抜いてる。藤岡さんが巨人のピッチャーだったら、僕は一本もホームランを打てなかった」と笑った。

 コロナ禍により、音楽界だけでなく球界も大変な状況が続いている。掛布氏は「先日、センバツで選ばれた高校生たちが代替試合という形で、甲子園でゲームをやった。子供たちの涙でなく、野球がやれる笑顔が印象に残った」と話すと、「僕も二軍監督時代、一軍に上がって叩きのめされて、二軍に戻ってくる選手を数多く見てきましたが、その選手たちに『顔の笑顔は必要ないけど、心の笑顔は最後まで持ち続けないと、自分の野球が終わってしまうよ』と言葉をかけた」と二軍監督時代を回顧。

 続けて「藤岡さんの指揮する関西フィルの音も、あれだけいろいろな楽器の音が一つになり、僕の体に響いてきた。甲子園の左のバッターボックスに入って〝掛布コール〟を聞いているような激しい音だった。心の笑顔を忘れないためにも関西フィルの音楽は必要。関西フィルのために、みなさんもご協力いただきた
い」と協力を訴えた。