マット界のカリスマはやっぱり鉄人だった。プロレスユニット「ストロングハーツ」のカリスマ・CIMA(42=米AEW)が9月29日に大阪・堺市内を自転車で走行中、自動車との交通事故に遭い救急車で病院に搬送され、鼻骨骨折などで「全治1か月」の重傷を負っていたことが分かった。カリスマはそのまま長期休養に入ると思われたが、今週末から早くも復帰に向けて始動するというからビックリだ。衝撃の一部始終を本紙で公開――。

 CIMAは9月29日午後8時ごろに愛用のロードバイクで帰宅中、青信号の横断歩道を直進しようとしたところ、左折してきた軽自動車に接触された。サドル上から数メートル吹き飛ばされ、顔面から道路に落ちて、そのまま数秒間意識を失ったという。相手側の車のフロント左側部分は大きくへこみ、ロードバイクも大破した。通行人が通報し、救急病院に搬送された。

 すぐにCTスキャンを受けた結果、脳に異常はなかったものの、鼻骨骨折、頭部外傷、顔面挫創、左手関節挫傷、右手挫傷、頸部挫傷、腰部挫傷で全治1か月の重傷を負った。当初は医師から「全治3か月」と診断されたが「試合があるんで、何とかお願いします!」と懇願して、全治期間を縮めてもらったという。

「運が良かったとしか言いようがない。あまりに瞬時の出来事で、受け身を取るとかそういう事態ではなかった。顔から道路に突っ込んでそのまま気を失ってしまい、通行人の方から『大丈夫ですか?』と声をかけられて目覚めたくらいですから。自分の娘や母親だったらと思うとゾッとする。僕で良かったというのが本音です」とCIMAは折れた鼻骨を固定した痛々しい姿で話した。

 大破して使用不可能となったロードバイクは、4年前のトライアスロン大会挑戦時から愛用してきたもの。「大事にしてきたかわいいヤツやったのに…残念です」とカリスマは自身の安否を案ずるより先に、愛車の冥福を祈った。受け身も取らずに顔からコンクリートに突っ込んでまだ生きているのだから、プロレスラーの強靱さはやはりすごいのひと言に尽きる。

 ちなみに診断を受けた堺市内の病院院長はなぜか“炎の飛龍”藤波辰爾(66=ドラディション)とじっこんの関係にあったため、検査直後にはミスタープロレス・天龍源一郎(70)との一戦(1996年4月29日、新日本プロレス・東京ドーム大会)で同じく鼻骨を骨折した藤波から激励の電話があったという。やはりレスラーとしての「業」の深さを痛感せざるを得ない…。

 来週には警察の再事情聴取を受ける予定だが、カリスマは長期休養に入るつもりは毛頭ないと豪語する。

「レスラーは体を鍛えてナンボですから。両腕も負傷したので車も自転車も運転できませんが、今週末からもうジムに通って、鍛えるのが可能な部分のトレーニングを始めようと思います。鼻は固定したままで痛いですけどね、ハハハッ」とCIMAは豪快に笑った。

 昨年10月には自身が率いる団体「OWE」の本部をカンボジア・シェムリアップに移転。しかし新型コロナウイルス感染拡大により、数多くの海外戦略はいったん休止となった。そこに加えて今回の交通事故。それでもCIMAは「もう海外から600通以上、激励のメッセージをもらったけど僕は大丈夫。ビッグカムバックを狙います!」とめげることなく奇跡の早期復活に向けて闘志をたぎらせた。