作曲家・筒美京平さん(本名・渡辺栄吉)の死去に、芸能界からも追悼の声が上がっている。

 筒美さんはいしだあゆみの「ブルー・ライト・横浜」、南沙織の「17才」などヒット曲は数知れず。そのほかにも「サザエさん」「怪物くん」などのアニメ主題歌も手掛けた。

 そんな昭和の大作曲家の手掛けた楽曲で、〝知る人ぞ知る名曲〟とされる曲がある。タイトルは「サテンの向こう側」。実は1994年にエニックス(現スクウェア・エニックス)から発売されたスーパーファミコン用ボードゲーム「いただきストリート2~ネオンサインはバラ色に~」で使用された曲で、いわゆる〝ゲーム音楽〟だ。

 家庭用ゲーム大ヒットシリーズで、ゲームはマップにあるお店やそのお店の株を買うなど、様々な手段を駆使しながら、目標金額を1番早く達成するのを競うもの。「このゲームで現実社会で禁止されている『インサイダー取引』や株価が下がった時に買う『押し目買い』『ナンピン買い』などを知ったゲーマーは多いはずです」(40代広告代理店関係者)という。

 実はその「いたスト2」のゲーム音楽をほとんどを筒美さんが担当。「サテンの向こう側」はゲーム内では「スラリン」というマップで使用されている。「スーファミゲームで使用されるにはぜいたくすぎほど、オシャレでポップなナンバー。どこか寂しさも漂わせる名曲です」(前出の代理店関係者)と〝筒美節〟全開の曲だという。

「筒美さんはエニックスの大ヒットゲーム「ドラゴンクエスト」の曲を担当したすぎやまこういち氏と師弟関係にあって、その縁もあってゲーム音楽を担当したと聞いています」(前同)。

 筒美ファンなら一度は聞くべき一曲のようだ。