もう負けられない。大相撲11月場所5日目(12日、東京・両国国技館)、大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が幕内大栄翔(27=追手風)を破って5連勝。番付最上位の貫禄を示した。

 この日、新大関の正代(28=時津風)が左足首負傷で休場し、今場所は2横綱2大関が不在となる異常事態に。横綱大関陣でただ一人残った貴景勝には大きな重圧がかかる一番だったが、立ち合いの突っ張りから一気に相手を突き出した。まさに大関らしい盤石の相撲だった。

 貴景勝は「今日は集中して自分の攻めをしようと思った。一生懸命、自分の攻めをして、後悔しない相撲を取ろうと」と納得の表情。正代の休場には「自分は自分。あまり人のことを考えず、その日の一番に集中して自分の相撲を取ろうと思っている」と話したが、横綱大関陣でただ一人土俵に残った立場としての覚悟はある。

「自分のこと、自分の相撲を第一に考える。ケガは仕方ない。休みたくて休んでいるわけではない。自分は出ているんで、しっかり後悔しないような相撲を取りたい」

 2度目の優勝、大関初Vへ。結果を出して番付最上位の責務を果たす。