俳優の長谷川博己さん主演のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」(総合、日曜午後8時ほか)第37回「信長公と蘭奢待(らんじゃたい)」が12月20日に放送される。同回では朝倉家の滅亡が描かれるといい、越前の戦国大名・朝倉義景役で出演しているユースケ・サンタマリアさんの姿も見納めとなりそうだが、果たして……? 第18回「越前へ」(5月17日放送)で初登場すると、狡猾(こうかつ)で、のらりくらりと腹の底が読めない義景として、人気を博してきたユースケさん。 チーフ演出・大原拓さんの目にはどう映っていたのか……。
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第37回は、上洛(じょうらく)間近の武田信玄(石橋凌さん)の進軍が突然止まる。義昭(滝藤賢一さん)は信玄や朝倉の援軍を得られず孤立。藤吉郎(佐々木蔵之介さん)率いる織田軍に捕らえられる。二条城にいた幕臣・三淵(谷原章介さん)も捕らえられ、早々に信長(染谷将太さん)方についた弟・藤孝(眞島秀和さん)と苦しい再会を果たす。
菊丸(岡村隆史さん)より武田信玄が秘密裏に死んだことを知らされる光秀(長谷川さん)。その報告を受け信長は、後ろ盾を失った朝倉・浅井に対して兵を挙げ、一気に攻め滅ぼす。ついに権力の頂点に立った信長は、ある突拍子もない願いを朝廷に突きつける……というストーリーが展開する。
ユースケさんは「麒麟がくる」が初の大河ドラマとなった。大原さんは起用にあたって「じめーっとした、『どっちつかずのよく分からない感じ』を出しいただきたかった」といい、その点に関して「見事に表現していただいた」と満足する。
これまでの戦国時代劇で、ほとんどフィーチャーされてこなかった義景だが、大原さんは「有力な大名であったことは間違いない」とし、野心についても「実はある」と説明。その上で、ユースケさんの演技について、「野心があるのか、ないのか、よく分からない表現にしてもらっているけど、実は野心があって、それを剥き出しにせず、ねっちょりと出してもらうというのをうまくやってもらっている」と感心し、「基本、上から目線、常に上から目線なのもいい」と、義景を魅力的にしている要因を語った。
「麒麟がくる」は59作目の大河ドラマ。1991年放送の「太平記」などで知られる池端俊策さんのオリジナル作。ドラマでは謎めいた明智光秀の前半生にも光を当て、戦国の英傑たちの運命も描く。
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