川口オートの「スーパースターフェスタ2020 SG第35回スーパースター王座決定戦」が27日、開幕した。

 初日のSSトライアル11Rは鈴木圭一郎(浜松=26)が序盤で3番手につけ、道中堅実にさばいて快勝。続く12Rは先行した青山周平(伊勢崎=36)が早川清太郎(伊勢崎=38)に6周3角で抜かれたが、青山が次の7周3角で抜き返して白星発進に成功した。

 初日のトライアルで一番存在感をアピールしていたのが11Rの最終回(8周3角)で浦田信輔(飯塚=47)をさばいて3着大逆転に成功した森且行(川口=46)だ。

 スタートで後手に回り、2周目には7番手に置かれる苦しい展開となったが、道中で気迫の猛追劇を披露。最後の最後で浦田をさばいて逆転したシーンは圧巻だった。

 車券に貢献する価値ある猛攻劇とあって激闘後は「少しでも行かないとヤラれちゃうからね。そりゃ、1対1になれば行くでしょう」と興奮気味だった。

 速攻が主武器の男が、得意パターンとは逆のレーススタイルで見せ場をつくった。「試走とレースで(エンジンが)変わってくるのを見越して調整していったけど、試走から良くなかった。コーナーが大きくなって丸くなっちゃう。でも、ドドドがないのは大きいね」と仕上がり自体は上々だ。

 6年ぶりのSS王座参戦に「みんなスタートも早いし、試走から早い。ビックリしたよ」と年末大一番の感触を思い出した様子。そのすごみを実戦でかみしめながらSGウイナーとしての風格も漂わせている。

 森の速攻力を生かした走りも華麗だが、初日のような絶体絶命の位置から車券に絡む追い込み劇には無言の強い決意がにじみ出ている。