ラグビーのトップリーグ(TL)第1節、今季から鳴り物入りでNTTドコモに加入したニュージーランド代表のSH、TJ・ペレナラ(29)がキヤノンとの開幕戦(21日、町田Gスタ)で前評判通りの圧巻のパフォーマンスを見せた。

 前半から相手に攻め込まれる場面が多かった中、強引な突破や豪快なタックルで観客をどよめかせる。一方でオフ・ザ・ボールでも常に動き回り、ボールを持てば的確なパスでチームにリズムをもたらした。

 すると後半18分に来日初、チームとしても今季初となる渾身のトライ。雄たけびを上げて勢いに乗ると、26分には中央を切り込んで瞬時にパスを選択し、一時逆転となるFL李智栄(26)のトライを呼び込んだ。

 チームは試合終了間際に劇的な逆転勝ち。自身もワールドクラスのプレーを見せつけたが「9番(SH)はボールの近くに常にいるので」と初トライについては謙遜した。それ以上に「後半はやれることが明確になり、自分たちのいい動きが出せた」とチームとしての勝利を喜んだ。

 今季から就任したヨハン・アッカーマン新ヘッドコーチ(50)も「落ち着かせるところを落ち着かせた。経験値は素晴らしいものがある。他の選手にいい影響を与えてほしい」と期待する。

 試合前にはキヤノンのSH田中史朗(36)と談笑。「日本語を勉強しているので、家族はどうかとか、出身はどこですかとか」と語学の習得にも貪欲な姿勢をのぞかせた助っ人が、今季のチームをけん引する。