28日に神宮球場で行われたヤクルト―阪神の一戦は、昨年2月11日に84歳で死去した野村克也氏の追悼試合として開催。球場には半旗が掲げられ、両軍のナインたちは野村氏がヤクルト監督時代に着けていた背番号73のユニホームを着用し、試合に臨んだ。

 1999年より3シーズン、阪神の監督としても采配を振るった野村氏。現役時代に捕手として薫陶を受けた矢野燿大監督(52)も「開幕前にお墓参りにもいけた。『また頑張ってきます』って報告もしてきたんでね。野村さん、星野(仙一)さんってのは俺の中で大きく影響を与えてくれた方。(野球は)能力だけでやるものじゃなく、頭で考えてやるもの。受け継いだものを野球界に残したい」と神妙な表情で語った。

 野村政権下で監督専属広報を務めた嶌村聡球団本部長(53)も「すごいオーラをお持ちの方でしたが、距離を近づければ近づけるほど、優しさや人情味がある方でした」と故人の人柄を偲んだ上で、阪神球団としても独自の形で野村氏の追悼試合を開催する考えを示した。