8月6日公開の映画「キネマの神様」(山田洋次監督)主演の俳優菅田将暉(28)と、共演するRADWIMPS野田洋次郎(35)が、「RADWIMPS feat.菅田将暉」として初タッグを組み、同作主題歌「うたかた歌(うたかたうた)」を歌うことが8日、分かった。劇中で菅田演じる主人公ゴウと野田演じるテラシンは、同じ映画撮影所で働く親友。その関係性同様に意気投合した2人が主題歌に挑む。

作詞作曲を野田が務め、ゲストボーカルとして菅田を迎えた楽曲。ゴウとテラシンの役柄と重なり合うように、歌詞に合わせて歌い分けされている。野田は「撮影中に歌の言葉の断片みたいなものをちょっとずつためていました。全部の撮影が終わった時に、感謝の気持ちを込めて『監督にこのデモをお渡しください』という感じで贈ったのが1番最初です」と、初めは主題歌と意識して制作した楽曲ではなかったと明かした。

映画は昨年新型コロナウイルス肺炎で亡くなった志村けんさん(享年70)が主演予定だった。野田にとっても大きい存在だったといい「1つ香りとして残したいと思いました」。野田は、いち出演者としても「僕たちが通ってきた感情みたいなものを歌詞で残しておきたい、僕らが生きたあの撮影所の雰囲気を音にできないかと思ってました」と楽曲に込めた思いを明かした。野田からデモ音源を受け取った映画のプロデューサーが曲に感銘を受けたことが、主題歌の決め手になったという。

菅田は野田とのタッグでの主題歌に「いやびっくりしました。謎でした。こんなありがたいことはないです」と驚きつつ「クランクアップした少し後に、野田さんから感謝の気持ちとして『こんなのできたから』ということでこの曲のデモを送ってもらった。それを聴いて『わぁ~!』と思っていたので、なんだか不思議な気持ちでした」と喜びを明かした。

2人のレコーディングは2回行われたという。1回目は、「難しくて表現しきれなかった」という菅田に、野田がアドバイスのメールを送ったといい、菅田は「リテイクしたことが良かった。今思えば、山田組っぽい」と共同作業を振り返った。野田は菅田の歌い手としての魅力について「声が素晴らしい。人に届く声を持っている」と絶賛した。

俳優業と並行して、最近では日本テレビ系ドラマ「君と世界が終わる日に」の主題歌を務めるなど、音楽活動の幅を広げている菅田。新たな音楽仲間との新たな魅力が見られそうだ。主題歌の音源は、近日解禁される。