いよいよ国がワクチン接種に乗り出す。菅首相は27日に、防衛省、自衛隊に新型コロナのワクチンの大規模接種センターを東京都に設置するように岸信夫防衛相に指示した。今月23日、菅首相は「7月末を念頭に各自治体が2回接種を終えることができるよう政府をあげて取り組む」と発言したが、この言葉通り政府が腰を上げたということだ。医師や看護師は自衛隊の医療関係者をあてる。大阪にも同様の接種センターを置くもよう。

 自治体とは別にワクチン接種を国が行うことに一部から「混乱を招くのではないか」などといった声も出ているが、スピードアップにつながるのならどんどんやるべきだろう。

 すでにワクチン効果が出て、感染者が激減している英国出身の実業家デービッド・アトキンソン氏が、母国の事情を27日放送のフジテレビ系ワイドショー「めざまし8」で明かしている。

「英国ではワクチンをある地域で徹底的に打つ方法のほうが重要と考えた」と語り、浅く満遍なく打っている現状の日本方式では「ワクチンに変異する機会をより多く与えてしまうため危険」とし、効果も期待するほど出ないという。つまり大阪や東京といった感染者が多い場所を狙い撃つのが効果的ということだ。

 東京、大阪に狙いを定めて一気にワクチン接種が進めば、菅首相の支持率も上昇しそうだ。