コロナ禍での暑さ対策はどうなるのか。東京五輪のスケートボードのテスト大会が14日、本番の会場となる東京・有明アーバンスポーツパークで開催された。

 平野歩夢(22=木下グループ)や四十住さくら(19=ベンヌ)といった東京五輪代表の有力候補は不在で、主にパリ五輪を目指す有望株が出場し、今月上旬に完成したコースを滑走した。

 新コースについては選手からも「とても楽しい。設計がしっかりしていて滑りやすくて、スピードも出る」「滑らか。技をやるにも適していた」とおおむね好評だった。

 一方で新型コロナウイルス対策への課題も浮き彫りになった。この日の東京都の最高気温は27度。この暑さに男子パークに出場した辻颯太(19)は「きつかった。地面からの照り返しも熱くて、日陰になるものがないので水分を取りながらだった」と語り、かなり苦慮した様子だ。

 7月25~26日(男女ストリート)、8月4~5日(男女パーク)の日程となる本番では、より猛暑の中での競技が想定されるが、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森泰夫運営局次長は「選手向けに休憩スペースを設けることを考えている」と対策を発表した。ただしこうなると、今度は密集、密接などを生みやすくなる懸念が出てくる。

「コロナ予防の観点から休憩所に入る人数を制御することを計画している。選手以外の関係者は制限し、ソーシャルディスタンスを確保できないかと検討している最中」(森次長)となるが、暑さとコロナ対策の両立が重要となる。

 さらにスケートボードの文化も禁止に追いやられそうだ。森次長は「感情豊かにハグやハイタッチなどを選手も観客も行う特徴的なスポーツ。しかしコロナ対策の中で控えていただくことを周知した」と語る。

 事前に「ハイタッチ、ハグをやらないように言われた」と通達があり、肩を落とす選手も。コロナ禍での五輪開催は、こうした競技特有の魅力も制限しそうだ。