プロダンスリーグ「D.LEAGUE」で熱戦を繰り広げるDリーガーの素顔に迫る連載「Dリーガーのオドリバ」第6回は、KOSE 8ROCKSのNao(20)と、USEN-NEXT I’moonのHina(19)の登場です。舞台、ライブとステージ経験豊富な2人が語り合いました。【取材・構成=大友陽平、写真・動画=鈴木みどり、青山麻美】
◇ ◇
--じっくり話すのは初めてだと思います。お互いの印象は?
Nao ゲストライブの時に、すごいノリノリなイメージです。
Hina バレてましたか?(笑い)
Nao I’moonでもセンターにいて、いつも(動きを)そろえたりする中で、アクロバットとかをやっているイメージです。
Hina (Naoは)まず美人です! すごくかわいいなって。アクロバットもすごいので、Naoさんの前では、私が得意とか言えないんですけど…。KOSE 8ROCKSの皆さんも、Naoさんもすばらしいなって思います。
--早速ですが、ダンスを始めたきっかけは?
Hina 私の祖母の知り合いの方のお孫さんのダンスを観に行って、私の体がすごく柔らかかったみたいで、祖母の誘いで始めました。ダンスを始めたのは6歳の頃です。
--体操などではなかった?
Hina 体操も習いつつ、ダンスも習っていました。
--学生時代は?
Hina いろいろなスタジオに通って、アーティストさん達のバックダンサーで踊らせていただいたり、ステージに立たせていただく機会は多かったです。
--ダンスのジャンルは
Hina ジャズっぽいダンスから始めたんですけど、いろいろなジャンルが好きで、ガールズヒップポップを習ったり、ちょっとハウスも習ってみたりとか。いろいろな習わせてもらったんですけど、1番はジャズヒップホップというジャンルが好きで、今の「I’moon!」という感じのダンスが好きでした。
--ダンスを始めたきっかけは?
Nao 中学校の時に、ダンス部に入ったことがきっかけです。部活を選ぶ感覚で、茶道部とかと迷っていたんですけど、ダンス部は運動部だし、中学生の頃って結構体形とかも変わりやすいし、「運動部の方がいいんじゃない?」って親からも言われて、ダンス部に入りました。
--他にも運動部はありますが(笑い)
Nao 1番は小学生の頃から仲が良かった友達がダンス部に入るって聞いて、「あ、じゃあ入ろう!」って入りました。
--小学生の頃は習い事などは?
Nao 本格的ではなくて、地域の施設でダンスをちょっと踊ってみたくらいのことはありました。
--運動神経は?
Nao 運動神経は…良くないですね…。体育の成績も良くなくて、今も運動神経が良くないので悩んでます。
--現在の踊っている姿からは意外です
Nao ダンス部はブレイクダンスの部活で、ジャンルを選ぶというより、最初からブレイクダンスでした。
--いきなりブレイクダンス! 中学時代、楽しさは?
Nao 楽しさというよりは、元々負けず嫌いなところがあって、続いていたという感じです。1年生の頃は全然上手にできなかったので、特に大会などに出ることもなかったんですけど、2年生、3年生になって、バトルとかとショーケースの大会、コンテストに出るようになりました。
--高校以降の活動は
Nao ダンスを続けながら、高校2年生の頃に、舞台とかのお仕事をやるようになりました。

- 対談を行ったKOSE 8ROCKSのNao(左)とUSEN-NEXT I’moonのHina(撮影・鈴木みどり)
--舞台に出るきっかけは?
Nao 高校に入るのも、勉強がちょっとできなくて進路に悩んでて、ダンスができるところに入りました。なんとなく続けていて、そろそろ将来どうするかを決めていかなきゃという時期に、学校に今のマネジャーさんが来て、お話をしてやってみようとなって。そのタイミングで「梅棒」さんから話をいただいて、出ました。ダンスでストーリーを進めていく舞台です。役柄に合わせて演出でブレイクダンスを入れていただいたりして。それがすごくいい感じにはまって、役を演じるのも楽しいなと思うようになって、今も続けています。
--舞台を踏んで、今にいきている部分は?
Nao ステージに立った時の見え方とか、舞台も元々ダンスを見てきている人が見てる場合もありますが、ほとんどはダンスを知らない人が見ていたりするので、詳しくない方から見ても、すごいなと思わせる見せ方とか、こういう技がすごいと思われるとか、そういうのは結構、D.LEAGUEでもエンターテインメントジャッジの方って、それに近いのかなとも思うので、その部分は生きているのかなと思います。
--Hinaさんは「EXPG STUDIO OSAKA」出身。ドームなどのステージに立った経験がある
Hina サポートダンサーをさせていただいた時に、ドームに立った瞬間に本当に涙が出て、すごい光景で…。すごい人がいて緊張したんですけど、すごいところで踊らせてもらって…。D.LEAGUEでも、久しぶりだったので舞台の上で踊るというので緊張したんですけど、その時に感じた気持ちとかを思い出して、今度は私が見てくれている人にいろいろな感動を与えたらいいなと、その時の気持ちを毎回思い出してステージに立っています。D.LEAGUEもしばらくは無観客でしたが、画面越しで見てくれてる人にも届けられたらいいなという気持ちで毎ステージ立たせていただいているので、そういう経験をさせていただいたからこそ、いろいろな感情でステージで踊れてるなと思います。
--ダンスを続けようと1番思えたステージは?
Hina E-girlsさんのアリーナツアー「E.G.11」のサポートダンサーをさせていただいた時に、それまで以上にメンバーさんと近くで踊らせていただきました。その時に、E-girlsさんのようになりたいという気持ちが大きくなって、ずっとダンスは好きで続けてきたんですけど、「もっとダンスしたい」「こういう人になりたい」という思いは深まりました。
--アクロバットはいつから?
Hina 小学生の頃、地元のスタジオに通ったんですけど、そこでダンスをやったり、アクロバットも学ばせてもらって。上京するまではずっとお世話になってたので、今生かせているのがうれしいです。技は…意外とできます(笑い)。ひねりも練習していたので、できます!
--ブレイキンの技もすごいですよね
Nao 逆にブレイクダンスの技よりも、技をやる直前にやってた前転とかの方がすごく苦手で…(苦笑い)。苦戦しています。すごく下手ですし、上手に回れなくて、他のショーケースでも「はけ方どうする? 前転にする?」みたいな話になった時も「Naoちゃんがいるから、ひざ滑りね」と変わったり…。悩んでます。
--ひざ滑りの方が、痛くないですか?
Nao 前転の方が痛いです(笑い)。腰とか打ってしまって…。

- ポーズを決めるKOSE 8ROCKSのNao(撮影・鈴木みどり)
--ダンスのプロリーグができると聞いて
Hina 聞いた時は、「どういうこと?」というところから始まりましたが、他のチームの方を見た時に、自分が憧れている人だったり、ずっと携帯の画面越しですごいなと思って見ていた方達と同じステージに立てているというのが、今でも夢みたいで、本当に私がDリーガーでいいのかな? みたいな不安から始まったんですけど、今まで以上にたくさんの方に見られてるというプロ意識も持っていかなきゃいけないです。D.LEAGUEが始まって上京して、環境も一気に変わりました。今でも、すごいところに立たせてもらってるなと思うので、もっともっとリーグを広めていけたらいいなと思います。
--憧れて見ていたDリーガーは?
Hina RIEHATAさんだったりとか、LegitのTAKUMI君だったり、ずっと大阪で会う機会のない方達ばかりで、画面越しで見ていた方達と直接会うというだけでテンションが上がっちゃって(笑い)。はじめの撮影の時から夢のような時間で…。余計に頑張ろうという気持ちにもなりましたし、憧れですが負けずに、これからのROUNDも勝てたらいいなと思います。
--ダンスのプロリーグができると聞いて
Nao きっかけは、ISSEI君から話がありました。ちょうどその時期は自粛とかで、ダンスに対するモチベーションとかが落ちていた時期にお話をいただいて…。もともとバトルよりもショーケースの方が好きなんです。高2くらいで元々入ってたチームも抜けて、ずっとソロで活動してたので、チームでショーケースをやりたいなという気持ちもすごくありました。やりたいけど、やるにはすごく覚悟が必要で、最初はすごく悩みました。でもここで頑張れなかったら、最後の賭けじゃないですけど、自分試すというか…。辛い時期もあったけど、1回これをやるって決めてちゃんとやってみよう、そこでどこまで出来るか。やらないで止めてしまうのも、もったいないと思いました。

- ポーズを決めるUSEN-NEXT I’moonのHina(撮影・鈴木みどり)
--これまでの戦いを振り返って
Nao ROUND.1からやってきて、本番だけどいろいろなことを試しながら、自分たちも挑戦しながらやってきました。ずっとやってきて、最近すごくチームの仲も深まったと思います。自分たち的には納得のいくものは出来てきてはいるので、さらにそれを見やすくしたりとか、構成にこだわって、より良くしていけたらと思います。チームとしては、もうそろそろ勝ちたい! チャンピオンシップにとりあえず残りたいです。
Hina 低い順位が多くて、悔しい結果ばかりだったんですけど、ROUND.1から比べると、1人1人が成長していて、どんどん良いチームになっているなと思っています。1番は自分たちが楽しんで、見ている人に最高のパフォーマンスを届けるのが本当に大事だと思います。もちろん優勝を目指してるんですけど、結果ばかり考えず、1番は自分たちが楽しむと決めたので、これからのROUNDもまずは自分たちが楽しんで、それは見ている方には届くと思うので、悔しい結果ばかりで辛い時期もあったんですけど、みんなそれを乗り越えて、I’moonらしさはしっかりあると思うので、残りの試合もI’moonらしくというのは変わらず、いろいろなI’moonをお見せできればと思います。
--個人の目標は?
Hina ずっとダンスをしてきて、憧れを持ってやってきたので、自分もたくさんの人に何か夢を与えられる人になりたいなと思います。ドームとかに立たせていただいた時に、すごい人数の前で、すごい光を浴びて「輝きたい!」って思ったので、自分もたくさんの人にそういう思いが届けられたらと思いますし、私のようになりたいと思ってもらえるような人になりたいです。
Nao 私も似てます! 私はアイドルが好きなんですけど、挫折とかくじけそうになった時とかに、アイドルを見て元気をもらったりとか、頑張ろうって思えたりしているので、自分も、誰かのそういう存在になりたいと思います。
--どのアイドルが好きなんですか?
Nao ハロプロ(ハロー!プロジェクト)とベビメタ(BABYMETAL)とかが好きです。ハロプロは全部好きなんですけど、やっぱりモーニング娘。さんは歴史あるグループなので、見ていて楽しいです。現役だったら佐藤優樹ちゃんが好き…。憧れは松浦亜弥さんです。歌ですか? 歌はすごく下手なので…目標としてはいつか表現できるようになりたいです。
◆Nao(ナオ)2000年(平12)2月26日、東京都生まれ。中学からブレイクダンスを始め、海外の大会でも好成績を残すBGIRL。17年に梅棒公演7th「ピカイチ!」で初舞台を経験し、数々の舞台に出演。ダンサーとして初めて「アンダーアーマー」とアドバイザリー契約を結び、ELLEgirl UNIのクリエイターとしても活躍。得意技はエアートラックス。
◆Hina(ヒナ)2001年(平13)7月2日、大阪府生まれ。6歳で地元のダンススタジオに通い始め、ダンスやアクロバットを習う。12歳からガールズヒップホップを習い、「THE FUTURE」で優勝。15歳で「EXPG STUDIO OSAKA」に通い、EXILE、三代目 J SOUL BROTHERS、E-girlsらのサポートダンサーとして数々のステージを経験。
◆ROUND.9(5月6日)ハイライト SEPTENI RAPTURESが、第5戦、第7戦に続いて3勝目を挙げた。初勝利した第5戦からは4戦連続で審査員点は1位を継続中。総合順位でも、FULLCAST RAISERZ、avex ROYALBRATSに迫る3位につけた。
レギュラーシーズンは残り3戦で、各チームがCHAMPIONSHIP(7月1日、東京ガーデンシアター)進出に向けてしのぎを削る。18日開催のROUND.10は、ゲスト審査員を丸山桂里奈、LL BROTHERSのTAKANORIらが務め、ゲストアーティストには、SKY-HIが登場する。