声優杉田智和が5日、都内で行われたアニメ映画「リクはよわくない」(荒川眞嗣監督、10月公開)アフレコ終了報告会で、声優陣を「レジェンドの皆さん」と呼んだ司会を、たしなめた。

この日は杉田のほか、森川智之、松本梨香、森久保祥太郎、花江夏樹、浅野真澄と人気声優が顔をそろえたため、司会は入場時に盛り上げの意味も込め「レジェンド」と口にした。そのことを受け、森川は「声優界のレジェンド…レジェンドって、何かそうじゃないと思うんですけど」と自己紹介した。

すると、杉田は「伝説やレジェンドという言葉を使い過ぎると…あのぉ、陳腐なものになってしまって、相手を責める時の言葉に変わってしまっている。そういうわけにはいかないと思うので、ここぞという時に使いたいと思う」と持論を展開した。これには司会も「早速、ダメ出しを頂きました。ありがとうございます」と笑みを浮かべた。

杉田は、実家で飼っている愛犬「直司」がフィギュアとして販売されるほど、声優界では犬好きで知られ、劇中では犬のヨースケを演じた。「人以外の生きものに接して、感じることは多い。自分自身が生まれる前から、実家で飼っている犬がいた。犬の方が年上なので、全くなつかなくて、ほえられて犬は怖いなぁという最初の印象があった。(犬が)弱っていって初めて、なでさせてくれた。求めてくれたのかなという瞬間が忘れられない」と愛犬との思い出を振り返った。

「リクはよわくない」は、坂上忍(54)が愛犬リクとのかけがえのない日々を絵本として書き下ろし、野性爆弾のくっきー! が挿絵を描いた絵本が原作。5歳の「ぼく」が5匹の犬の兄弟たちとの日々を通して命の大切さを学んでいく物語で、20年4月に刊行され、今年4月現在で2万2000部を突破した。

声優陣は、物語に共感してオファーを受けた。杉田は「今回の作品は、ある程度、内容や結末が予測できても共感せずにはいられない、素敵な物語。出演できて、本当に良かった」と感慨深げに語った。