1970年代に、日本でも大ブームを巻き起こした“超能力者”ユリ・ゲラー。テレビでもスプーン曲げなどのパフォーマンスを披露し、当時の小学生はみんな夢中になった。マネをして給食の先割れスプーンを力まかせに曲げてしまい、先生に怒られた経験があるのは私だけではないだろう。

 さて今回紹介するアイテムは、そんなスプーン曲げを誰に怒られることもなく堂々とできるステキな品物だ。まあ要するに手品グッズである。100均ショップで何種類か売られている手品グッズの中からこの「ザ・スプーン曲げ」(発売元・大創産業、110円)を選んだのも、小学生時代の苦い思い出が脳裏をかすめたからかもしれない。

 実際のところ、テコの原理を使えばたいていのスプーンは曲げられる。それを軽くこすっただけで曲げることこそ、手品、いや超能力の神髄といえるだろう。このグッズも難易度では比較的簡単なLEVEL2と表示されているので、きっとユリ・ゲラー気分が容易に味わえるに違いない。おそらく非常に軟らかい、すぐ曲がるような素材でできているのではと予想した。

 で、さっそくチャレンジしてみる。

 …予想に反してスプーンは思ったよりも硬い。普通のスプーンよりは軟らかめだが、少なくともこすっただけで曲がるほどではない。手品の仕掛けをバラすのは一応気がひけるので詳しくは書けないが、パッケージに「スプーンが一瞬で曲がる」とあるのは「一瞬で曲がったように見える」の方が正確なのではとだけ言っておこう。肝心なのは手品としての見せ方のテクニック。みなさんもご自分で試してみていただきたい。