武雄ミッドナイト競輪(FⅡ)「オッズパーク杯」は14日、2日目を迎える。この開催で本デビューを迎えた地元の久保光司(24=佐賀)は予選を3着でクリア、準決に勝ち上がった。

 初日1Rを走った近藤翔馬(23=愛媛)が2周を突っ張って逃げ切ったこともプレッシャーになったのか、続く2Rでは打鐘から強引にカマシ先行に出たものの、内村竜也(45=山口)のまくりに屈した。

「指定練習ではめちゃくちゃ調子が良かったのに、アップの段階でうまくいかなくて…。レース中も考えながら走っていると脚がパンパンになってた。自分の未熟さが出たし、悔しかったです。点数を付けるなら、20点か30点ぐらいですね」と、ホロ苦デビューに唇をかんだ。

 自転車競技の名門・龍谷高でキャリアをスタート。日体大に進学して国体でも結果を残すと、競輪選手養成所の試験も一発でパス。晴れてプロの道を歩むことになった――。

 と、ここまではありがちなエピソードだが、久保にはとっておきの経歴があった。「僕、フィギュアスケートをやってたんですよ。足首が細いのは、スケートのシューズを履いていた影響です。今でも自分の名前でエゴサすると、そのころの成績とか出てきますよ」。確かに、ネットで検索すると、全日本フィギュアスケートノービス選手権に久保の名前があった。

 しかも、同じ大会には宇野昌磨(23)の名前が! 後のオリンピックメダリストと鎬を削っていたのだから驚きだ。

 スピードスケートから自転車への転向組は、武田豊樹(47=茨城)を筆頭に数多くの成功例があるだけに、同じスケートつながりと思えば大化けの可能性は十分。4回転ジャンプならぬ、〝4周回もがき〟で。華麗な走りを披露してほしい。