豊川悦司(59)が27日、都内のニッショーホールで行われた映画「子供はわかってあげない」(沖田修一監督、8月20日公開)の完成披露上映会で、俳優を目指して上京後、夏に無一文になったものの、秋までしのぎきり「意外と大丈夫」と思ったと語った。

司会から夏の思い出は? と質問が出た。豊川は「役者になろうと決めて、大学を辞めて東京に出てきて。それなりに自分でバイトして、準備して20万くらい持って出てきたんですけど、ちょうど夏前にお金が切れちゃって、明日から本当にお金が全然ないという状態になって。さぁ、どうしようかと言ってから1カ月くらい、本当に暑い夏だったんですけど、何とか過ごした記憶がありますね」と語った。

その上で「知り合いのところに行って…携帯がない時代でしたから、アパートの前に、ずっと何時間も座って待っていたりとか、公園に行って水道の水を飲んだりとか…」など、現代では考えられない状況を説明。そして「1週間くらいになると、お金のないことが普通になってきちゃって、これ結構、お金なくても生きていけるなと妙な自信がついてきて。何となく、秋の風が吹く9月くらいまで、ずっと一文無しで過ごした覚えがある。布団もいらないくらい暑かったし結構、意外と大丈夫なんだなと、その時、感じましたけども」と笑いながら語った。

「子供はわかってあげない」では、上白石萌歌(21)演じる高校2年の水泳部女子・美波の実父で元教祖の友充を演じた。一緒に泳ぐシーンについて聞かれると、豊川は「やっていて、恥ずかしかった。僕も萌歌ちゃんくらいの娘がいるんで。何て言うんだろう…これ、父親にとって理想だよね、というシーンがある。一緒にホースで水かけたり、海に入ったり出来ないんで…お父さん、そんなこと娘にしてもらえないですからね。まるで夢のような時間でした」と照れ笑いを浮かべた。上白石が「豊川さんのブリーフパンツ? 貴重な映像で注目して欲しい」とPRすると「一応、競泳水着だよ」と苦笑した。

この日は2人のほか細田佳央太(19)千葉雄大(32)も登壇した。