【石原結實 病気を吹き飛ばす食図鑑】インド、ヒマラヤ山麓原産のウリ科の一年生つる植物。インドでは3000年も前から栽培されていた。日本には、10世紀頃に渡来。

 キュウリやスイカなどのウリ科の植物には、カリウムやイソクエルシトリンという利尿作用の強力な成分が含まれているため、浮腫(むくみ)、高血圧、心臓病、腎臓病、色白でポッチャリタイプの肥満症(水太り)に奏効する。

 漢方医学の陰陽論では、熱帯の暑い地域原産のキュウリは「体を冷やす作用」があるので、「ほてり」「暑気あたり」の時、食べるとよい、とする。

 逆に、冷え性の人が多食すると、体を冷やして体調悪化の原因となるので味噌漬けや浅漬けなど、塩や味噌など塩分を加えて体を温める工夫をして食べる必要がある。

 冷やす作用は「軽いやけど」や「打ち身」に「すりおろしたキュウリをガーゼや布に置いて患部を湿布する」という治療法に応用されている。

 二日酔は、漢方で水毒(ビールの93%、ワインや日本酒の85%は水分なのでアルコールの飲みすぎは体内に余分な水分をため込み、むくみ、頭痛や腹痛、下痢、吐気…など水分過剰=水毒の症状を起こす)であると考えられており、「コップ半杯~1杯のキュウリの生汁を飲む」ことで、利尿を促し、体内の余分な水分を出すことで改善する。

 キュウリやピーマンには、毛髪の成長に必要な「ケイ素」が多く含まれている。ヨーロッパの自然療法医は、人参2本(約400グラム=240cc)、キュウリ1本(約100グラム=80cc)、ピーマン(50グラム=30cc)を刻んでジューサーにかけて作る生ジュース(計350cc=コップ2杯)の愛飲を脱毛で悩む人に奨めている。

 ◆石原結實(いしはら・ゆうみ)1948年、長崎市生まれ。医学博士。イシハラクリニック院長として漢方薬と自然療法によるユニークな治療法を実践するかたわら、静岡・伊豆でニンジンジュース断食施設の運営を行う。著書は300冊超でベストセラー多数。最新作は「コロナは恐くない 恐いのはあなたの『血の汚れ』だ」(青萠堂)。