豊嶋花:14歳で出演作は50本超 演じることは「アイデンティティー」 “鈍感”な一面も?

映画「都会のトム&ソーヤ」でヒロインの堀越美晴を演じている豊嶋花さん
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映画「都会のトム&ソーヤ」でヒロインの堀越美晴を演じている豊嶋花さん

 「万引き家族」(2018年)や「約束のネバーランド」(2020年)などの城桧吏(じょう・かいり)さん主演で、7月30日に公開された映画「都会(まち)のトム&ソーヤ」(河合勇人監督)。同作でヒロインの堀越美晴を演じているのが、幼い頃から名子役として活躍し、現在14歳ながら出演作は50本を超える若き実力派・豊嶋花さんだ。美晴は、運動も勉強も平凡だが、実は並外れたサバイバル能力を持つ主人公・内藤内人(城さん)の好意に気付かず、大企業の御曹司で学校一の秀才の竜王創也(酒井大地さん)に想(おも)いを寄せる中学2年生だ。役と同年代で、鈍感なところは「似ている」という豊嶋さんに話を聞いた。

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 ◇ヒロイン・美晴の印象は? 自らクセを提案し、“恋する女子”に

 「都会のトム&ソーヤ」は、シリーズ累計200万部を超える、はやみねかおるさんの同名推理小説シリーズ(講談社)が原作。内人と創也の中学生コンビが、“最強のゲームクリエーター”を目指して、推理と冒険を繰り広げる……という内容で、映画と連動するドラマ「都会のトム&ソーヤ ぼくらの砦」もABEMAで配信された。

 豊嶋さんが抱いた美晴の印象は、「女の子らしい女の子」。「私は結構さばさばした性格なので、素の自分とは違うタイプ。あと美晴はしっかりしているけど、抜けているところもあります」と話す。

 美晴の女の子らしさを出すため、「顔のそばに手を持ってくる」という“クセ”を自ら監督に提案した。「心理学とか、特に詳しくはないですし、何か役の気持ちを表現しようと思ったわけでもないのですが、可愛いらしい女の子って顔の近くに手があるイメージがあったので」と笑顔で告白。また普段から他者の動きを「よく見ている」といい、「今、耳にした声や話し方を即興でまねみたりすると、友達にも『似てる』ってよく言われますので、模写をするのは結構、得意かも。だから私の周りの可愛い女の子に、そういうクセの子がいたのかもしれません」とほほ笑んだ。

 そのほか役作りでは、まず「しっかりとした原作」を参考にしたというが、「あからさまに周りが見ても分かる“恋をしている子”って、女の子らしいというか、どうしてもぶりっこになりがちで、そこは意識しましたし、声も普段より高くしています」という豊嶋さん。

 さらには、「(城さん演じる)内人の美晴に対する気持ちもとても分かりやすい。でも、それにまったく気付かない美晴の鈍感な感じも意識して頑張りました」といい、「実は私も鈍感な方で。周りの女の子のことは『今はつらいだろうな』とか『そっとしてあげておいたほうがいいだろうな』と客観視できて、友達から頼られたりするのですが。自分に向けられる気持ちは本当に分からなくて、そういった鈍感なところは美晴と似ていると思います(笑い)」と語った。

 ◇子供の頃から女優業と学業を両立し… 今後やってみたいのは「悪役」

 仕事を離れれば、美晴と同じ中学生の豊嶋さんは、普段の自分のことを「“陽キャ”で明るくて、誰とでも話せるタイプ」と分析し、「学校はとても楽しいです」と声を弾ませる。

 子供の頃から女優業と学業を両立してきたが、「忙しい日が続いて『疲れた~』となって、『やめたい』と思ったことは今までに何度かありました。でも、やめたら私に何も残らないんじゃないかって思えて。今では(演じることは)自分に必要不可欠で、アイデンティティーみたいな感じになっていますし、やっぱり楽しくて続けています」と明かす。

 女優業が「楽しい」と感じるようになったのは小学生に上がってから。「大体、自分に近い役が多くて。クールか明るいかのどちらかで、私は両方の要素を持っているので、決して『自分以外の誰かになれるから楽しい』ってことではないのですが。自分が住めないような家に住めたり、自分が絶対しないような服装や言葉遣いができたり、普段の生活とはちょっとずれた場所にいられる。その中で、自分がリアルな演技をすることで、見ている人の心を動かして、『楽しい』『面白い』『すごい』と言ってもらえるのは幸せなこと。それは自分の目指していることでもあるので」と持論を披露。

 今後に向けて「いろいろなところで言ってきたのですが、やってみたいのは悪役」という豊嶋さんは、「告白」「Nのために」など作品が多数映像化されてきた小説家・湊かなえさんの大ファンでもあり、「サスペンスやミステリーはやってみたいです。それも『犯人はこの中にいる!』みたいな感じではなくて(笑い)、サイコパスなキャラクターが出てきたり、ホラーっぽかったりするような作品に出てみたいです」と目を輝かせていた。

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