伊勢崎オートのナイターSG「第25回オートレースグランプリ」は14日に準決勝戦を終え、最終日(15日)12Rで行われる優勝戦のベスト8が決定した。

 準決勝戦の9Rで2着に入り、SG通算11回目の優出を決めた若井友和(47=川口)はレース直後、うれしさのあまり興奮気味だった。しかし、時間が経つにつれ冷静さを取り戻すと、現在負傷で療養中の同期盟友・森且行(47=川口)への熱い思いと復帰へ向けたメッセージを送った。

「森が去年、(日本)選手権を獲ったことで俺ら同期の人間も刺激を受けたからね。アイツの仕事に対する妥協しない姿勢は見習うべきものがあるし、忘れかけていた初心を取り戻すいいきっかけにもなった。やっぱりうれしかったよね」

 デビュー前から苦楽をともにした仲で良きライバルであるとともに、互いに何でも話せるだけの間柄でもある。25期では若井が17年前のこの大会で優勝し、同期では最速でSGウイナーとなった。対照的に森がSGを初制覇したのは昨年11月の川口「日本選手権」で46歳での戴冠劇はオート界のみならず、芸能界も巻き込んで話題を集めた。

 偉業を達成した森に続き、次に再び中年の星になるのは若井の番だ。同期だからこそ言えることもいろいろとある。

「アイツの身体能力は高いし、回復するのも早いと思うよ。また一緒に走りたいよね」

 オートレースを統括するJKA関係者によれば「復帰時期は全くの未定」とのことだが、再び爆音を響かせる姿を待ち望むファンは多い。17年ぶりに若井がSG戴冠を果たせば、今度は逆に療養中の森に大きな刺激を与えるのは間違いない。

「17年ぶり(のSG優勝)? 厳しいでしょう。森はスターだけど、俺は一般庶民だからね」と笑いを誘いつつも「まあ、アイツが帰ってくるまでは俺がオートファンのお客さんの心をつないでおくから大丈夫」と誓った。