【東スポ音楽館】演歌歌手・岩本公水が今月4日にリリースしたシングルが、「なさけ舟唄」(作詞・瀬戸内かおる/作曲・岸本健介)だ。昨年、ヒットしたシングル「しぐれ舟」の世界観を引き継いだ作品だが、岩本ならではの“苦悩”もうかがわせた。

 ――新曲はどんな作品ですか

「前作の『しぐれ舟』という作品が想像以上に好調だったので、その世界観を続けたいと出来上がったのが『なさけ舟唄』なんです。大切な人とずっと生きていきたいという歌詞ですが、コロナ禍で多くの方が“大切な人”のことを考える時がいっぱいあったと思うんです。そういう意味では、今の時代にすごく寄り添った歌じゃないかなと思ってます」

 ――レコーディングはどんな感じだった

「私はこぶしも回せるし、声を張り上げて歌うこともできるタイプなので、普段通りに歌っていたら、先生から『全部そぎ落とそう』と言われたんです。こぶしもうなりもなくして。磨き上げた白米というか、本来の素材の良さというか、声そのものを感じていただけるような歌い方になりました」

 ――ナチュラルな岩本さんの声になっている

「ナチュラルな歌声なんですけど、お化粧と一緒でナチュラルメークが簡単か、というとそうじゃない。ナチュラル美人に見せるのが難しいように、ナチュラルに歌うというのは、なかなか難しいんですよね。そんなに簡単に歌えない楽曲にもなっているんです」

 ――コロナ禍はどんな過ごし方を

「歌の仕事はまったくなかったですね。それでも、声だけは出し続けていようと、スタジオを借りたり自宅で声を出したりしていました。それと陶芸ですね」

 ――陶芸といえば今月から秋田で個展も開催中

「地元・秋田県の由利本荘市にある道の駅『東由利』で、恒例になっている陶芸展を今年も開かせていただいています。コロナの時には時間もあったので、いっぱい作らせていただきました。その期間の心の支えになっていました」

 ――陶芸を始めて何年になりますか

「一人暮らしを始めたころからですから、21年になりますね。陶芸は土をこねるところから焼き上げるまで全部、自分でやらなきゃダメなんです。人に助けてもらうわけにはいかない。でも歌は周りの助け、力を借りて初めて歌える。そういう意味では陶芸のおかげで、人のありがたみを実感して歌えるようになりましたね」

 ――ファンの方へメッセージをお願いします

「会いたくてたまらないですし、全力で歌う時間が早く戻ってくるように、毎日願っているので、みなさんも元気でいていただきたいです。いい歌を歌います」