萩生田光一文部科学相(57)が19日、都内の文部科学省で、タレント村井美樹(41)を社会教育士応援大使に任命した。任命式後の質疑応答で、萩生田文科相と村井に「コロナ禍で、通常の学校教育にも支障を来す状況。社会教育士応援大使として、どのように活動し、発信していくのか? 文科省は、どういう考えを持っているのか?」と質問が出た。

まず、村井が「コロナ禍で人間同士のつながりがより希薄になっている。つながりを作らなければいけないのに、実際、人と会えない、もどかしさは芸能の仕事をしていてもジレンマを感じてはいる」と、コロナ禍を生きる率直な感想を語った。その上で「社会教育を身近に感じていただくこと、こういったものが社会教育につながるんだと発見する機会を作れたら良いなと思っています」と語った。

次に、萩生田文科相が「まさしく、コロナ禍で子どもたちが日常の活動が出来ない。非常に、じくじたる思いをしています」と現状への率直な思いを口にした。その上で「児童、生徒のみが主役ではなくて、学校は地域に存在するものなので、文科省としては地域のコミュニティースクールですとか学校運営協議会というものを組織化して、出来るだけわが子だけじゃなくて地域の子供たちを一帯で育てていく環境作りの後押しをしている」と続けた。そして「より専門性の高い社会教育士の方が増えていけば、私は学校運営、地域コミュニティーのあり方は変わっていくと思う」と、地域活動や市民活動が持続的に展開していく支援を行う専門人材である、社会教育士の重要性を訴えた。

また、萩生田氏は「こういう世の中になってきますと、なかなか、おせっかいを焼いてくれる大人の人が少なくなってきて、子どもたちに注意をしたりというのが時には、うっとうしがられる傾向にあるのも否めない」とも言及。「きちんとした立場で地域活動を支え、地域の学びをサポートしていく方が増えると、多分、世の中の潤滑油になると思う。コロナで、いろいろ失いかけているものを、しっかり取り戻すためにも社会教育士の方に一働きして欲しいし、志す方も増やしていきたい」と期待した。

村井は「今は、歴史とか鉄道のお仕事をさせていただいている。学校で学んだのは基礎的なところで、社会教育は学校教育以外の全て。社会に出てから、ずっと学び続けていると感じていて。そういったものが学校で学んだこと以上に、生きた知識として自分の血肉になっている。学ぶことって、こんなに楽しい…人生を輝かせている。そういったことを伝えられたら」と笑みを浮かべた。萩生田文科相は「村井さんは学生時代から座学で学んできましたし、タレント活動を通じても学びを続けているのがすごく強み。現場をご存じ」と期待した。