落語協会の新真打ち、志ん吉あらため古今亭志ん雀(41)、小んぶあらため柳家さん花(42)、緑君あらため柳家緑也(31)、柳家花いち(38)の昇進会見が26日、都内で行われた。

同協会の柳亭市馬会長は「どうなるか分からないこの世の中で昇進を迎え、心落ち着かせて向かうことができないかもしれないが、こういう最中にしかできないことを見いだしているのは頼もしい」と、エールを送った。

個性豊かな4人がそろった。志ん雀は、もともと俳優を目指し、テアトル・エコーの養成所に通っていた時に、講師で来ていた師匠の古今亭志ん橋と出会った。「当時は師匠ではありませんから、気前よく褒めてもらったのを真に受けて、こっち(落語)がいいかなと」と笑った。艶笑噺(はなし)が得意だが、新作も積極的にかけていきたいとした。

さん花は大学を中退してお笑い学校に通っていた時、落語のDVDを見て衝撃を受けたという。お笑い学校に入る前に亡くなった父親に「お前は好きなことをやって生きていけ」と言われたことを思い出し、落語家になることを決めたという。

柳家花緑門下からは2人。緑也は歌舞伎好きで「披露目(興行)でも歌舞伎の噺をかけたい」と話した。花緑は、緑也の名前について「尾上松也さんのお父さんの松助さんが付けていた名前。松也さんにお手紙を書きまして、承諾いただきました」とした。

花いちは、入門前は名古屋で漫才コンビを組み、吉本興業に所属していた。「大学3年の時、師匠の落語を聞いて、落語ってこんなにおもしろいのかと思った。コンビを解散した時、師匠のことを思い出して、(入門が)ダメならあきらめようを思っていた」と振り返った。

披露興行は、上野・鈴本演芸場の9月下席を皮切りに、新宿末広亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場、国立演芸場と、11月まで行われる。