立川競輪S級シリーズ「山口健治杯」が30日に開幕した。12Rの初日特選は新山響平(27=青森)が中団まくりを決めると、マークした近藤隆司(37=千葉)がゴール前でかわして1着。即席コンビでワンツーとなった。

 近藤は前検日、新山マークを表明する際に「単騎でやっても勝てる気があまりしないので、迷惑じゃなければ新山君にいきたい。他地区の選手に付けるのは初めてです」と明かしていた。調子を落として自信喪失気味だったゆえの選択だったようだが「新山君の強さを真後ろで感じられたし、自分もシューズが軽くていい感触でした」と結果的に収穫を得たようだ。


 白星スタートにニコニコしていた近藤だったが準決勝のメンバーを見ると表情が引きつった。31日の準決10Rは自力の番組で、しかも別線には新山の名前がある。「初日お世話になって、すごく感謝しているのに、今度は戦わないといけないんですね…。(レースが)始まってしまえば関係ないけど、やっぱり(やりにくさが)ある。番組を恨みます(笑い)」と冗談を言いながら気持ちの切り替えをしていた。

 とはいえ、初日特選1着は心理的にも大きなアドバンテージ。「ライン3車もありがたいし、なんとか倒せるように頑張ります」。久々の1着で自信を取り戻した近藤が、新山に〝恩返し〟の一撃を見舞う。