脳科学者の茂木健一郎氏(58)が、菅義偉首相が自民党総裁選(17日告示、29日投開票)に出馬しない意向を示したことに対する批判的な声に異論を唱えた。

茂木氏は3日、ツイッターを更新。「菅義偉総理は、言葉の雄弁さには欠け、広報戦略は弱かったかもしれませんが、東京オリンピック、パラリンピックの開催、ワクチン接種の拡充、広島黒い雨訴訟の上告断念など、折に触れ適切な判断をされてきたと思います。誰が首相をやっても大変な状況の中でがんばられました」と高く評価し、「おつかれさまでした」とねぎらった。

ブログでは、菅首相に対する批判的な声に言及。「このようなときに、対立する野党の党首などでも、これまでの労をねぎらい、その功績をたたえるのが憲政の常道だとぼくは理解している。選挙のときにも、論戦をたたかわせても、そのあと国民の審判が下ったら、勝った方に祝福のことばをかけるのが民主主義のふつうの感覚だと思う」と自身の考えを示した上で、「そう考えるぼくは、この国では少数派なのだろうか。ツイッターのTLを見ているとだいぶひどいことを言っている方々が多い。なんだかなあ、と思う」と複雑な思いをにじませた。