全日本プロレスのエース・宮原健斗(32)が、約2年ぶりの地元凱旋を前に世界タッグ王座の絶対防衛を誓った。

 12日のアクロス福岡大会を控え、王道のエースは燃えていた。というのも生まれ育った福岡市での試合は、2019年11月25日以来久々となるからだ。

 新型コロナウイルス禍で遠ざかっていた故郷での大会に「何といっても2年ぶりですからね。僕もだけど、何より福岡のファンが楽しみにしてると思うんですよ。福岡の人は『地元の人を応援しよう』というのが強くありますから。その中で僕は福岡のスーパースター。タモリか松田聖子か宮原健斗か…ってね。だから皆さん応援してくれていますよ。『いつ来るの』ってずっと言われてましたから」とナルシシズムと闘志をみなぎらせた。

 だが、その大事な凱旋を前に大きな壁が立ちはだかる。王道トーナメント優勝の諏訪魔と、同準優勝の芦野祥太郎組を迎え、世界タッグ王座のV5戦(7日、東京・後楽園ホール)を行うのだ。

 この絶好調2人を宮原は青柳優馬とのコンビで迎え撃つが、こちらはともに不調を極めている。6月26日の大田区総合体育館大会で行われた3冠ヘビー級王座をかけた巴戦では、宮原、青柳ともジェイク・リーに敗れてチャンスをつかめず。8月の王道トーナメントで宮原は準決勝で諏訪魔に敗れ、青柳は1回戦で芦野に敗れた。

 好不調の波が激しい…というか、つかみどころのない青柳は別として宮原は深刻に思える。だが「そもそも俺は不調じゃない! 福岡に丸腰で帰れるわけがない。だから必ずこのベルトを死守しますよ」と吠えた。

 ちなみに、コロナ禍になるまでは告知も含め、年間10回程度福岡に戻っていた。当時を振り返り「福岡に帰ったら、スケジュールの合間を縫って『長浜ラーメン 福重家』と『元祖長浜屋』を絶対に食べます。本場のとんこつラーメンは僕の力の源なんで。あとは百道浜で海を見て心を落ち着かせて、若い頃走っていた福岡工業高校の周りを走って初心を取り戻す。これが僕の原動力になっていました。ここ1年はそれができてないんで…」と話す。

 最近の不調の理由がちょっと分かった気がするが、その推測が当たっているなら、トンネルを脱するのももう目前だろう。華々しい凱旋にするためにも、必ずやベルトを守りたいところだ。