歌手岡村孝子(59)が7日、都内で、「ソロデビュー35周年&復帰コンサート“Hello Again!”」を開催した。19年4月に急性白血病と診断されて休養。復帰後初のライブで、2年9カ月ぶりにファンとの再会を果たした。

暗闇の中、黄色い衣装の岡村が現れると、観客は盛大な拍手を送った。岡村も最上階の3階席まで、手を振り思いに応えた。「こんばんは。岡村孝子です。こうしてお会いできてとてもうれしいです。ただいま」。

岡村は、アルバムを制作するたびに引っ越しをするなど、その楽曲作りへのこだわりは、関係者の間ではよく知られている。「私は以前から、アルバムで曲を作って、それをコンサートで歌って、やっと歌が完結すると言っていたんですけど、(19年5月に発売した)『fierte』というアルバムを作って、発表する前に入院をしてしまいました。なので『fierte』は私の中でまだ、完結していません」と力を込めた。

この日は「fierte」から、多くの楽曲を披露して“完結”させた。「『この曲たちを、絶対にいつか待ってくれたみなさんの前で歌うんだ』という強い気持ちがあったからこそ、闘病中も頑張れた気がします。皆さんからのたくさんの励ましのお言葉をいただきました」と感謝した。

ライブは、最新曲「女神の微笑み」をはじめ「ずっと」「夢をあきらめないで」など、全14曲を披露。2年9カ月ぶりの優しい歌声に、ファンは涙を流した。

終盤では、言葉を詰まらせ「今日はこのステージに立てて、本当にうれしかったです。本当に帰って来れたっていう気持ちに、徐々になっています」。デビュー35周年を迎え、岡村が再び歩き始めた。