ボクシングのWBO世界フライ級王者の中谷潤人(23=M・T)が〝米国仕様〟で勝利を奪取したことを明かした。

 同級1位アンヘル・アコスタ(プエルトリコ)とのV1戦(10日=日本時間11日、米アリゾナ州トゥーソン)で、4ラウンド(R)TKO勝利。米国デビュー戦を飾った中谷は11日にオンラインで会見し「まずはホッとしている気持ちが大きい。いい形でKOシーンをお見せしたかったけど結果としてはいい形になったかな」。相手の鼻をへし折って勝利した試合を振り返った。

 本来は170センチとフライ級の中では高い身長とリーチの長さを生かした長距離戦を得意としているが、この日はここまで22勝のうち21KOだったハードパンチャー相手に2R以降は足を止めての接近戦で打ち合った。

 いつもとは違う戦法に「前に行き過ぎた」と反省を口にしつつも「1R目にいい左が当たって相手のダメージが分かった。多少強引でもしっかり倒したいという気持ちがあった。岡部(大介)トレーナーから『打たれたね』と言われたが、お客さんも見えているんでアピールしたい気持ちが出た」と明かした。憧れの米国初戦で単に勝つだけでなく、魅せる要素も加えたわけだ。

 試合後には主催した米大手プロモート会社「トップランク」のボブ・アラムCEOから「いい試合だった」と、ねぎらわれたというだけに、狙い通りしっかり自身の存在を印象付けた。今後は、米国再上陸を視野に入れるとともに「気持ち的にはいつでも。タイミングが合えば」と統一戦を望む。その実現に向けても大きな白星になったのは間違いない。