【岡田彰布氏の眼】可能性の出る勝利だからこそ気になった“仕掛け”の無さ
「ヤクルト1-2阪神」(9日、神宮球場)
阪神・矢野燿大監督(52)が執念リレーで白星をもぎとった。ヤクルト戦の今季勝ち越しを決め、矢野監督は節目の通算200勝。デイリースポーツ評論家の岡田彰布氏(63)は阪神ベンチが執念で勝ち取った白星を「可能性の出る勝利」と評価した一方で“仕掛け”の無さが「展開を重くした」とも指摘した。
◇ ◇
阪神は何とか勝利した。これで成り行きがすぐに好転、とはいかないまでも、勝っていけば可能性が出てくる。そういう勝利と捉えたい。
勝ち星を連ねるしかない状況にあって、重くなってしまった試合展開が、少し気になった。
初回、大山のタイムリーで先制点を奪った。しかし、そこに至るまでの近本の走塁。1死一塁で、マルテの打席ではフルカウントになってもスタートを切らなかった。
それ以前にも盗塁のチャンスもあったが、一度もスタートを切らず、狭いリード幅から、左腕・高橋のけん制では頭から戻る。この姿は、いわゆる“仕掛け”はない、ということを表している。
四回も、大山、糸原の連打で好機を得たが無得点。この糸原の打席でも、フルカウントからファウルで粘り、中前打としたが、ここでも大山はスタートしていない。
この日の高橋は球が走り、なかなか連打が望めないだけに、仕掛けていれば一、三塁と、違った展開になっていた可能性がある。
こうした慎重さが、展開を重くした。選手を信頼している、という気持ちをベンチが伝える意味でも、走らせ、エンドランの形に持っていくような動きが欲しかった。
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