俳優の石橋凌(65)が故松田優作さんに助けられたエピソードを明かした。13日、東京・新宿バルト9で行われた出演映画「恋する寄生虫」(柿本ケンサク監督)の公開記念舞台あいさつに出席。運命的な出会いについて問われた際に挙げた恩人2人のうちの1人が松田さんだった。

石橋は高校卒業後、バンド活動に励んでいたが「ある時、限界を感じまして。九州の田舎に帰ろうと思っていた」と進路に迷っていた時期があったという。そんな時に参加した故原田芳雄さんの忘年会で出会ったのが松田さんだった。「本当に直感的で、この悩みの相談に乗ってもらえるのは優作さんしかいないと勝手に思って」。初対面ながらその場であいさつを交わし「実は今、悩んでいます。話を聞いてくれませんかと言ったら『分かった。じゃあ、うちに来い』と言われてお邪魔しまして。経緯を話すと、『映画で顔と名前を売れ』とおっしゃられた」と振り返った。

するとその半年後にも家に呼ばれ、入ると置かれていたのは松田さんが監督・主演を務めた映画「ア・ホーマンス」の台本。「『お前、この役をやれ』ということで。本格的な作品参加はそれが初めてでした。私にとって恩人ですし、運命の人です」と感謝を口にしていた。

舞台あいさつには「恋する寄生虫」でダブル主演を務める俳優の林遣都と女優の小松菜奈のほか、井浦新と柿本監督も登壇した。