石原伸晃内閣官房参与(64)が10日、辞任の意向を固めた。

 本格的に仕事に着手する前の“秒速辞任”。今回は2段階で“燃える”という珍しいパターンだった。

 着火したのは岸田文雄首相。10月の衆院選で落選した石原氏を内閣官房参与に任命したことから始まった。2人が盟友関係だったことから「税金でお友達救済はあり得ない」と大炎上。石原氏が担うのは観光分野で、岸田氏にアドバイスをする役割だという。報酬は日当制で1回2万6400円。

 石原は6日に辞令が交付された際、記者団に対し「選挙は不徳の致すところだ。勝負は時の運。まだ十分に体力、能力はある」と断言していた。

 ところが、直後にニュースサイト「AERA」が、石原氏が雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金約60万円を受給していたと報道。これは新型コロナの影響で事業縮小を余儀なくされた場合、雇用維持のために一部の事業主に助成する制度。政治団体も対象となっていた。しかし、国会ではコロナ禍で歳出を削減する議論をしており、石原氏の対応は「前代未聞」と与党内からも批判が出ていた。

 石原氏辞任の一報にネット上は「当然だ!」の大合唱。石原氏にとっても完全な誤算で、将来的な政界復帰も遠のいてしまった。

「今回の助成金受給で庶民の反感を一層買うことになった。もともと石原ファミリーには特権イメージがあったが、今回はそれに加えてセコさ、ずうずうしさも垣間見えた。政治家にとって、この手のスキャンダルが一番痛い。いまごろ頭を抱えているでしょう」(永田町関係者)

 自分で「能力がある」と言った辺りから“落とし穴”の予感はしていたが、まさかこんなにも早いとは…。しばらく大人しくするほかなさそうだ。