元SKE48で、乳がんを患ったタレント矢方美紀（29）が11日、MBS（毎日放送）主催のがんフォーラム「ちゃやまちキャンサーフォーラム　オンライン2021」に特別ゲストで出席した。

AYA（あや）世代と呼ばれる若い15～39歳でがんを経験した立場から、大腸がんから復活を遂げたプロ野球阪神の原口文仁捕手（29）とともに治療時の悩みや経験談を語った。

同年齢の原口とは初対面。互いの体験談や考え方をうなずきながら興味深そうに聞いた。矢方は「同世代がどういう風に思いながら日々の生活をしているのか。原口選手のお話を聞いていて、野球をしながら治療しているってどんだけ頑張ったんだろうと、自分が経験したからこそ思いました。リアルな話やご家族の話も聞けて、私ももっとシャンとしなきゃなと思いました。皆さんが話しているときに、私はどうだったかなと考えていた。（診断から）3年という期間を振り返っていた」

がんを経験して、自らの行動も大きく変わった。「自分から行動するようになりました。フットワーク軽いねと言われます。病気になる前はぼーっとしていたので。限られた時間の中で、前だったら3日後でいいやだったのが、5分でも1分でもやるぞ、と」。アクティブに動くことを意識しているという。

来年6月で30歳。どんな30代を送りたいかと問われると、笑いながら目下の悩みを告白した。

「容姿が幼くて、よく大学生（みたい）と言われるので、30歳に見合うような見た目にしたい。体にもっと気をつけないといけないと思いまして。この2～3年で10キロ以上太っちゃって、治療の中でホルモンのバランスの維持が難しくなってしまって。今、キックボクシングに週1で通っているがまったくやせないんですよ。だから、これ以上負荷をかけて、やせないと。見た目も考え方も（年齢に）追いついていけるようになっていきたい」と目標を挙げた。

矢方は17年にSKE48を卒業。18年に乳がんと診断され、左乳房全摘出とリンパ節切除の手術を受けた。

またフォーラムの最後には、主催したMBSの虫明洋一社長（59）も登壇した。30代で白血病にかかったことがあると明かし「医療関係の皆様の力で、こういう仕事ができていると感謝しています。（毎日放送ががん啓発の）活動を始めて10年。当初はがん検診の促進が大テーマだったが、がん検診だけでなくがんを取り囲む状況を発信してきました。社会的責任という形で、情報、共感、共有をテーマに、形を変えながらも活動を続けていきたい」と締めくくった。