サッカー天皇杯の準決勝が12日に行われ、C大阪の元日本代表FW大久保嘉人(39)が浦和戦で先発したが奮闘むなしく0―2で敗退した。試合後の会見では、チームに愛のムチをふるって再建を促した。

 大久保は先発出場したが無得点に終わり、チームも敗戦。悲願のタイトル獲得は果たせず、現役として最後の試合となった。試合後にオンラインで会見した大久保は「今日は何もできなかった」と悔しさをにじませつつ、現役生活を終えたことに「終わったなあという感じ。すっきりしたというか…。これでもうやらなくていいなという思いが強かった」と晴れやかな表情を浮かべた。

 しかし、現役選手として最後の会見で日本一アツい男はどうしても黙っていられなかった。

「自分は辞めるけど、セレッソは改善してやらないといけない」とチームの再建を訴え、現状の問題点を熱弁し始めた。

「ここで話すと3日くらいかかる」としたうえで「すべて。攻撃も守備も。攻撃になったときにどこでパワーを使うのか。浦和は監督が変わって、ああいう守備のやり方をやりだしてあれだけ変われた。攻撃のときに誰がどこに立って、どこに立ってもボールをもらった後にイメージがなければボールに寄っていってスペースを空けるとか。セレッソは無駄に力を使ったり、走らせたりとかある。それは攻撃のときも守るときもちぐはぐして、間延びしてやられる。本当に悪循環」とこの日完敗を喫した浦和を引き合いに出して語った。

 今季の戦いも振り返りつつ「攻撃のときもセンタリングしかワクワクしない。そういうのがこの1年多かった。それだけではやっぱり得点は伸びない」とバッサリ斬り捨てた。

 そして「頭を一回整理して。サッカーとは、と。やっぱり点を取らないといけない。守ってばかりじゃダメ。先に点を取ればみんな自信を持ってプレーできる。だからトップに行けないんだなと思う」とチーム全体に向けて厳しい口調で一喝。「どう改善されていくのか、外から見て応援したい」とクラブとして抜本的な改革の必要性を訴えた。日本屈指のストライカーが残した〝ラストメッセージ〟。C大阪は今後どう応えるか。