大御所タレント・池畑慎之介が、美少年「ピーター」として脚光を浴びたころの秘話を明かした。

 映画「ベニスに死す」(1971年)で主人公を破滅に導く美少年を演じ、大人たちに翻弄された俳優ビョルン・アンドレセン(66)のドキュメンタリー映画「世界で一番美しい少年」の公開前日イベントが16日、都内であり、池畑がゲストで呼ばれた。16歳で芸能界入りし、美少年役でスカウトされた主演映画「薔薇の葬列」(69年)でデビューと、ビョルンと境遇が似ているからだ。

 池畑はまず「同時期にね、世界で一番(美しいビョルン)と二番(の自分)ですから」と挨拶。多忙だった当時を「あんまりいい記憶がないんですね。〝大人たちの食い物だな〟っていうのは分かってました」と振り返った。

 77年の映画「獄門島」では、市川崑監督に「ピーターのイメージのままでいい」と言われ、メークしたまま復員兵を演じた。ドヤ顔で自慢したのは、翌78年の映画「火の鳥」だ。

「三人官女の役で、木原光知子、ピーター、あとカルーセル麻紀さん。で、『このうち3人、どれが女でしょう?』っていうのがスポーツ紙に載ったんですよ。顔(写真)だけ載ってね。そしたら(声が多かったのは)断トツでアタシだったんです。うれしかったです」

 そんな池畑も現在69歳で、SNSでは「オジバ」と名乗る。30年ほど前から、いろんな人から言われていた「オジサンオバサン」を短くした呼び名だ。「で、『オバジ』って化粧品あるでしょ。だから『逆はダメだよ』って『オジバ』にしたんです」

 このドキュメンタリーには、ビョルンの近影など「ドキッとする場面もいっぱい」あったという。若かりしころの写真を前に、池畑は「今もこのままいるわけでは絶対ないわけじゃないですか。(中略)いろいろアタシも思うとこありました。〝生きることってこういうことなんだな〟って、すごく感じさせられた」と作品の感想を語っていた。