尾上菊五郎(79)らが出演する東京・国立劇場初春歌舞伎公演「通し狂言 南総里見八犬伝」が3日、初日を迎え、“ドローン”を取り入れた演出で客席を沸かせた。

時事ネタやトレンドを取り入れたサプライズ演出が恒例となっている菊五郎一座の初春公演。今年は、昨年の東京五輪開会式で夜空を飾ったドローン演出にちなみ、ちょうちんの明かりを飾った小道具をドローンに見立てて登場させた。

行方が分からなくなったヒロインを捜す場面で、出演者らが「これで探索いたしまする」と、糸で吊った木製のドローンを披露すると、アナログぶりに客席は大ウケ。暗がりのステージに複数のちょうちんで富士山のシルエットや「ハツ」「ハル」などの文字を浮かび上がらせ、おめでたいひとときに大きな拍手が送られた。

南総里見八犬伝は菊五郎劇団の人気演目。犬山道節を演じた菊五郎が妖術のスペクタクルを見せたほか、犬飼現八役の尾上松緑(46)と犬塚信乃役の尾上菊之助(44)が迫力の立ち回りを繰り広げた。