羽生結弦が消された! 14日に行われた体操界のレジェンド・内村航平(33=ジョイカル)の引退会見の映像が国際オリンピック委員会(IOC)の公式ツイッターに投稿され、その編集を巡ってSNS上で批判の声が上がっている。

 IOCによるオリンピック日本語公式ツイッターは15日午前に「内村航平さんが引退会見の日に語ったこととは?」とつづり、2分38秒の動画を投稿。内村の過去の映像とともに、引退会見で語ったセリフがテロップ付きで紹介されている。

 問題の場面は1分40秒あたり。後輩へのメッセージを求めれた内村が「体操だけうまくてもダメだよということは伝えたいですね」と語りだした、あの名ゼリフだ。「人間性が伴っていないと誰からも尊敬されない」などと口にした内村は、その代表的なアスリートとして米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平投手、フィギュアスケート五輪2連覇の絶対王者・羽生結弦(ANA)の名前を出したが、なぜか大谷だけ残され、直後の羽生の名前がカットされたのだ。

 その編集はかなり不自然なもの。分かりやすく、まずは実際に内村が語ったコメントは以下に記す。

「僕はもうちっちゃい時からずっと父親に『体操選手である前に一人の人間としてちゃんとしていないとダメだ』と言われ続けて育てられたので、その意味がようやく分かったというか。大谷翔平くんもそうですし、羽生結弦くんもやっぱり人間としての考え方が素晴らしいなって思うからこそ、国民の方々から支持されて、結果も伴っている」

 ご覧の通り、内村航平は「大谷」と「羽生」を一つの文脈の中でまとめて言っている。しかし、なぜか編集後は「その意味がようやく分かったというか。大谷翔平くんもそうですし」と言ったところでカット。東京五輪の鉄棒のシーンが挿入され、羽生の名前は完全に消されてしまった。

 この不可解な編集に対し、SNSでは「2人の名前を続けて出しているのに、なぜ?」「あまりにも不自然すぎて、怖いです」「意図的な編集なのか」「カットするなら大谷の前だろ」と批判が殺到。大谷だけ残され、来月の北京五輪で3連覇を挑む羽生だけ切られる現象には海外からも疑問の声が寄せられている。

 現在も映像は修正されずに投稿されたまま。本紙はIOCに質問状を送付したが、まだ返答はない。