2022年の米野球殿堂が25日(日本時間26日)に発表される。昨年は8年ぶりに該当者なしだった。注目は現役時代に素晴らしい成績を残しながら薬物使用疑惑などで9年連続で落選している歴代最多の通算762本塁打のバリー・ボンズ氏(57)、通算354勝のロジャー・クレメンス氏(59)、通算216勝のカート・シリング氏(55)の3氏だ。今年が選考対象の最終年となる10年目を迎える。ボンズ氏とクレメンス氏は薬物疑惑がなければ、ほぼ確実に1年目で選出されていたはずだ。

 殿堂入りには全米野球記者協会(BBWAA)に10年以上所属している記者の投票で75%以上の得票(今年は総票数392で75%は294票)が必要で、昨年末に締め切られた。記者が自身のSNS等で明かした投票内容を集計している専門サイト「BBHOF Vote Tracker」によると、18日(同19日)時点で43・6%の161票を確認。得票率75%を超えているのは資格1年目のレッドソックスなどで通算541本塁打のデービッド・オルティス氏(46)が83・6%、ボンズ氏が77・2%、クレメンス氏が76%の3人だ。昨年71・1%で16票足りなかったシリング氏は発表直後にBBWAAに来年の候補から外すように要求したことが影響したのか、59・6%にとどまっている。

 例年、3氏の得票率は同サイトが公表した数字から10%前後は下がっていることから殿堂入りは微妙だろう。

 資格1年目のヤンキースなどで歴代4位の通算696本塁打を放っているアレックス・ロドリゲス氏(46)は40・9%。実績は文句なしだが、禁止薬物使用で14年に全試合出場停止処分を受けており、こちらも前途多難だ。

 ボンズ氏、クレメンス氏、シリング氏は最後のチャンスをつかむことができるのか。全米のメディアと野球ファンが固唾をのんで見守っている。