米野球殿堂は25日(日本時間26日)に2022年度の殿堂入り投票結果を発表した。資格最終年の10年目だった通算354勝で史上最多の7度のサイ・ヤング賞に輝いたロジャー・クレメンス氏(59)は得票率65・2%(257票)で選出条件の75%に達せず落選し、資格を失った。

 米野球殿堂は全米野球記者協会(BBWAA)に10年以上所属した記者の投票で75%以上の得票で選出される。最大10人まで投票可能。得票率5%以下、殿堂入り資格を得てから10年を超えた場合は資格を喪失する。クレメンス氏はラストチャンスだった。

 クレメンス氏は自身のツイッターに声明を投稿した。

「みなさん、こんにちは! また今年のこの時期が来たので声明を出そうと思います。私も家族も、野球殿堂は10年前に過ぎたものと考えることにしました。殿堂入りするために野球をしてきたわけではありません私の家族の人生に何世代にも渡って違いをもたらせられるようやってきました」

 現役時代に「ロケット」と称されたメジャーを代表する剛腕は通算354勝、サイ・ヤング賞7回、最多勝4回、最優秀防御率7回、最多奪三振5回と輝かしい実績を残した。薬物疑惑がなければ資格1年目で満票に近い得票で選出されただろう。落選にも淡々としていた。

 その上で「地域やファンらにお返ししながら、ワールドシリーズで優勝することにフォーカスしてきました。私の情熱でした。自分の持っているものを全て、正しいやり方で、自分を支えてくれる家族やファンのために捧げました。時間をとって事実を確認し、自分に投票してくれた方々に感謝します。これでこの話を終え、もっと大事なものに目を向けられることを願っています。愛を込めて!」と自らの野球人生に胸を張った。