〝スマイル〟を貫いて――。北京五輪に出場するカーリング女子日本代表ロコ・ソラーレ(LS)の代表理事を務める本橋麻里氏(35)が2日、オンライン取材に応じ「みんな笑顔でやってくれるのが最高のパフォーマンスを発揮できるきっかけになると思う」とエールを送った。

 前回の平昌五輪では銅メダルを獲得。カー娘フィーバーに沸いた一方で「プライベートでリラックスする時間が見ていて少ないと感じた」とトップアスリートならではの苦しさを味わった。国内のレベルも向上し、大事な場面でライバルに敗れることもあった。それでも、LSのメンバーたちは逃げなかった。「カーリングが好き」との思いで努力を重ね「ある意味、心の筋肉がついたと感じる」と一回りも二回りも成長を遂げた。

 現在、チームはカナダで最終調整中。4日の飛行機で北京に向かう予定だが、新型コロナウイルス禍の影響で「飛行機に乗るためにPCR検査を2回クリアしなきゃいけないと聞いていて、みんな気が張っている」と難しい状況下に置かれている。さらに、日本にいる本橋氏からメンバーへ「中国の入国で申請していないものは全部持ち込めないので、日本からは一切差し入れは持っていけない」と戸惑いの表情を浮かべた。

 ただ、本橋氏はメンバーを信じている。

「世界のトップ10が集まってスキルも拮抗していている。笑顔だけで勝ち抜ける五輪ではないと思う。最終的には全ての緊張を楽しめるか、タガを外せるかの勝負になってくると思う」

 昨年9月の日本代表決定戦では、崖っぷちの状況でも喜怒哀楽を出し切って奇跡を引き寄せた。北京五輪でもLSらしさあふれる〝スマイル〟で世界の壁を打ち破る。