日本ハムの中継ぎエース・堀瑞輝投手(23)が新庄剛志監督(50)からの〝エンジョイ指令〟に戸惑いを見せた。

 名護キャンプ2日目の2日、ブルペン入りした堀は変化球を交え57球を投げ込んだ。

 昨年60試合に登板し3勝2敗39ホールド、防御率2・36。リーグ最多の42ホールドポイントで初タイトル、最優秀中継ぎ投手に輝いた左腕の投球練習を新庄監督が視察した。

 最初は捕手の後方から見守っていた指揮官だが、マウンドに近づくとセットポジションに構えた堀の正面に立ち、何やら投球直前に声を掛け始めた。

 終了後、オンライン会見に臨んだ堀は「めちゃくちゃ投げづらかったのが正直な気持ち。逆にそれでリラックスできた感じです」と苦笑い。

 新庄監督からは「笑いながら投げてみて!」と指示を受けたといい、堀は「ボクが考えながら投げていたのでちょっと楽しそうじゃなかったのかな。プロに入ってあまりそういうのはやっていなかったので気持ち悪い感がすごくあった」と正直な思いを口にした。

 プロ入り1、2年目に担当コーチから「ちょっと感情を表に出し過ぎる」との指摘を受け、そこから無表情で投球するようになったという堀。その方向性で5年目にタイトルを獲るまでに開花した左腕だが、6年目にまさかのダメ出しを受けるとは…。

 堀は「『笑いながら投げろ』はちょっと気持ち悪い感じだった。でも、変に力が入らず、リラックスして投げられるというのがメリットだと思うんですけど…」と言われた直後だけに、違和感は拭い切れない。

「去年が良すぎたんで、去年のままでは良くはないと思っていた。そこが自分でしっくりくるように自分で身につけたい」という左腕が掲げる変化とビッグボス指令にどう折り合いをつけるのか。しばらくは試行錯誤が続きそうだ。