絶妙アシストだ。巨人・原辰徳監督(63)が3日の宮崎春季キャンプで、〝平成の怪物〟松坂大輔氏(41)に宝刀伝授を依頼。次期エース候補・戸郷翔征投手(21)がスライダーの極意が授けられた。

 この日の巨人キャンプには昨季限りで引退した松坂氏が訪問。世界一に輝いた2009年WBCの〝戦友〟でもある怪物の登場に、原監督が動いた。松坂氏とともに訪れたブルペンで投球練習中の戸郷を呼び寄せると、松坂氏の伝家の宝刀だったスライダーの伝授を打診。松坂氏はまさかの申し出に戸惑いを隠せなかったが、即席の〝臨時コーチ〟と化して身振り手振りを交えながら技術的な助言を送った。

 当の戸郷は「曲がりがちょっと弱いなと思ったので、余計に曲げよう曲げようとしていた。(松坂氏は)スライダーは勝手に曲がるもの。真っすぐに近い握りというか、リリースというか。それに近づけたら、もっとバッターの手元で変化してくれるよと話してくれました」と目からうろこが落ちた様子だった。

 原監督が右腕に貴重な機会を用意したのは、さらなる成長を願ってのことだ。「突出した、類まれな松坂投手がいるわけだから。戸郷は〝第3のボール〟が必要なピッチャー。真っすぐ、フォークは非常にいいものがある。まだまだ野球人生はスタートしたばかり。勉強になったと思いますよ」。助言した後のスライダーに「全然違う」とうなった指揮官。昨季まで2年連続で9勝で、2桁勝利の壁を破れずにいる戸郷は怪物へと進化していけるのか――。