配信による格闘技イベント「RIZIN LANDMARK vol.2」(3月6日)で、鈴木千裕を相手に1年3か月ぶりの再起戦が決まった元K―1トップファイターの平本蓮(23)がインタビューに応じた。総合格闘技(MMA)デビューとなった一昨年大みそかの萩原京平戦で喫した2RTKO負け後に起きた〝自己破壊〟とは…。その生きざまを支えるロックバンド「THE BLUE HEARTS(ブルーハーツ)」についても熱く語った。
――久々の試合が決まったが
平本 興奮しています。みんなに試合を早く見せたいなっていうのもあったんですけど、自分自身力を試したいというのがすごくあったので…。昨年末に(試合が)1回流れてしまって「いつ決まるんだ」っていうのがあったんですけど、やっと格闘家として生きる実感を得られると思います。
――カード発表会見で、萩原京平戦後に〝自己破壊〟が起きたと話していたが、どういうことか
平本 自分に絶望したんですよ。そのおかげで全部ぶっ壊せた。つまらないプライドとか価値観とか固定概念とか、自分の弱い部分も強い部分も、全て「こんなのダメだ」とぶっ壊せた。どん底になったおかげで自由を得たんです。
――大きな変化だ
平本 キックのエリートだとかそういうのをなくして柔軟にやってこられたので、総合格闘家として生まれ変わった自分を見せられると思います。
――昨年は9月から3か月間、米国での武者修行も敢行した
平本 自分の生きる理念とか、格闘技に注ぐ情熱とか、改めて新たな目標を心に刻んで行ったんですけど、アメリカがそれを加速させてくれたというか。いろんなものを知ることができました。
――1年以上、試合が開いたが不安は
平本 僕の場合、試合間隔が開くことって昔から結構あって。そんなに気にならないですね。
――ブルーハーツに大きな影響を受けているそうだが
平本 中1の時、母親にブルーハーツのアルバムをもらって、あの時にロックの入り口に立ったというか、衝撃を食らって。その時「俺が心にいつも生まれ持っていた憂うつというか、胸に秘めてる爆発しそうな〝何か〟っていうのは、全部ロックンロールのこういう気持ちだったんだな」っていうのを(ボーカルの甲本)ヒロトが歌で体現してくれていて。だから僕はロックを知ったあの日から、そういうふうにしか生きられなくなったというか。
――なるほど!
平本 中学生の時、とがりまくっていたのは、その理念に宗教的なハマり方をしたからなんですけど。でもK―1でプロデビューして大人になって、そういうロックな精神を忘れていたんです。でも去年、自己破壊できた時に「中学生の自分が戻ってくる」じゃないですけど、ロックが自分の中ではじける感じがあったんですよ。今回はそれが試合に出るんじゃないかなって思います。
――まるでブルーハーツの歌を聞いているようだ
平本 そうですか?(笑い)。なんかこう、憂うつとかを吹っ飛ばすロックンロールみたいなものを見せられたらいいなと思います。
――戦いでロックすると
平本 そうですね! 自分は音楽はできないですけど、格闘技が好きで、格闘技ならできるので、格闘技でロックを見せていきたいなと思います。